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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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「近くの山の木で家をつくる会」現代町家憲章

町の工務店ネット
〒432-8002
静岡県浜松市中区富塚町2282-17

●基本コンセプトについて

 「現代町家憲章」は、日本各地で展開する「町の工務店ネット」が進める建築運動である。
  1. 美しい町並み景観をつくる家であること
  2. 緑 (木や草花) に溢れる家であること
  3. 必要・好み・寿命に応える家であること
  4. 地震で倒れない家であること
  5. 自然エネルギーを活用した家であること
  6. 特に、風がよく通る家であること
  7. きれいな室内空気の家であること
  8. 木をたくさん用いる家であること
  9. 土・紙など自然素材を用いる家であること
  10. 楽しくお手入れできる家であること
  11. その家は、前を通る人の家でもあること
 以上十一箇条を掲げ、これを規範とした家づくりを行う。
 現代町家は、画一的な規格住宅ではなく、また懐古主義的なものでもない。設計の基本ルールを踏まえた上で、各地に元来伝わっている「因子」をデザインに用い、また地域の植生を利用した外構整備により、周辺にも配慮した景観をつくろうというものである。
 本提案は、「物理的な寿命」だけではない、「社会的耐久力」を持たせることにも主眼を置いている。
 日本の植生は国外からの外来種によって乱され、また外構・造園工事においても、国外外来種が用いられるのはもちろん、本来その地域には存在しない、地域外来種の使用が当然のようになっている。
 もはや地域の植生を保護・育成できるのは、住宅の庭でしかないのではないだろうか。本提案では、植生の調査や採取などに住まい手が関わることにより、カタログから選ぶような「建材的植物」ではなく、自分とともに育ち、変化する、「生物」としての植物に愛着を持ち、長く住んでいくための愛着を喚起しようというものである。
 少しずつ緑を広げていくための「素 (もと)」として、「一坪里山」と呼ぶユニットを配することも特徴である。

●先導的な提案の内容について

 平成20年度第2回採択の「近くの山の木で家をつくる会」の仕様を一部継承し、「一坪里山」を中心とした植栽関連を追加している。本年度より長期優良住宅の認定が開始され、必須となったが、本提案はそれに加え、設計性能評価による評価も行う。

●構造躯体の耐久性・住宅の耐震性
 一体打設による基礎断熱のベタ基礎と、空気集熱式パッシブソーラーや小屋裏循環方式等を用いた床下強制換気により、強度と耐久性を確保する。また構造用面材を用いて強度を担保するとともに、断熱施工不良による壁面のヒートブリッジを防止する。
 また、許容応力度計算を行い、耐震性能を確認する。
 
●変化に対応出来る良質居住空間
 さや管ヘッダー方式・PS・EPSの確保によりメンテナンスを容易にし、オール電化対応のための電気2回線配線を行う。
 耐力壁を極力外周部に配し、内部間仕切り壁は撤去可能とすることで、変化に対応する。

●省エネルギー性
 CASBEE すまい (戸建) による自己評価を行い、Sランク (★★★★★) を目指す。また、住宅省エネラベルの表示を行い、省エネルギー性能を確認する。
 
●地域植生をいかした先導的な取り組み
 基本的な考え方でも述べたように、日本の植生は乱れ、本来あった風景はその多くが失われている。
 わずかに残った在来植生を、個人の庭で育成しながら、風景を町並みに供給する。
 日本を10ブロックに分けた植生区分をもとに地域の植生候補リストを作成し、それにより植栽計画を行なう。そしてそれを建築履歴にくみいれることで、住宅と一体化した永く使える住まいを形成する。
 前回採択提案に引き続き、構造躯体には「近くの山の木」をもちいる。
 「近くの山」には、在来植生が残っていることもあり、この在来植生の栽培も視野にいれた取り組みである。

●今後の予定について

 住まい手に対して長期優良住宅が正しく理解されているとは必ずしも言いがたく、先導的モデルとなるとなおいっそうのことである。このため、住まい手に対して行う「住まい教室」を開催し、制度の理解や、当提案の優位性を伝える。
 作り手である工務店と、材料供給源である林産地は、山と、町と、海を一体に考える学問である「森里海連環学・実践塾」に学び、課題とその解決の共有化をはかる。
 町の工務店ネットの工務店は、各地の現代町家の建設地で行われる「現代町家塾」において、そのルールを学び、事業を推進する。
 また、住宅取得者層だけではない、幅広い層に支持されているWEBサイト「住まいネット新聞びお <http://www.bionet.jp/>」において、長期優良住宅と先導的モデル事業をテーマにした特集やレポートを行っていくことで、制度の普及と啓発に努めたい。
平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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