平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
長期安心住宅・地域の家守り資産守り改修計画
新進建設 株式会社
〒257-0012
神奈川県秦野市西大竹116-1
神奈川県秦野市西大竹116-1
●基本コンセプトについて
- 地域により異なる気候風土や文化を育んできた我が国がストック社会に入り、超長期に耐えうる住宅を必要としている今こそ、地域に根ざした工務店が、積極的に既存住宅の長寿命化に向けた改修に取り組み、地域の住まい・街づくりの担い手としてその役割を果たすべき時であると考える。
- 超長期に耐えうる住宅への改修・再生を考えたとき、その内容は小手先のいわゆるリフォームではなく、実績から生まれた技術、学識・研究を基礎とした知見による、総合的なリノベーションであるべきだ。
- 地域に根ざした工務店と、耐震設計・省エネ設計に優れた設計事務所が、異業種間のタテの連携を構築することで、理想的な地域型長期安心住宅へのリノベーションが可能になると考える。
●先導的な提案の内容について
□外装全面リノベーション
□実績に基づいた工法の採用
□調査・診断・検査と再評価
□履歴情報システムの活用
□維持保全計画
□街並みや景観への配慮
□工事価格の明確化
□神奈川県産材の活用
□公開による啓蒙促進
- 既存住宅改修事業が抱える社会的諸問題は、部分改修では解決されない要素が多いようだ。そこで当提案では、「まず剥がす」全面的な外装と基礎の改修により、耐久性・耐震性・省エネ性等の性能の一体的な向上を目指す。
□実績に基づいた工法の採用
- 具体的な改修技術は、31年・2000棟超に及ぶ住宅建築の実績から選別した、施工性・普及性の高い工法を採用した。
□調査・診断・検査と再評価
- 第三者機関や設計事務所と協働し、まず改修前の住宅の性能を簡易・的確に調査・診断して、与条件に合った改修工法を選別。
- 改修工事段階の検査を実施。
- 更に改修後の住宅の性能を第三者機関が再評価・表示することによって、流通を支援するシステムを提案した。
□履歴情報システムの活用
- 新築工事のみに適用されがちな履歴情報システムだが、既存住宅の改修内容こそ本来蓄積すべき情報と考える。
- 長期優良住宅への改修の機会をとらえ、共同提案者のアルスデザイン・アソシエイツが開発した履歴情報システムへ、既存住宅の評価や改修時の履歴情報の作成保管を行う。
□維持保全計画
- 長期優良住宅新築工事同様に、既存住宅においても、体系的に整理された「長期維持管理計画」「窓口体制」「保証計画」を実施する。
- さらに履歴情報システムと連動して、点検・修繕等を円滑かつ確実に行う仕組みを提案した。
□街並みや景観への配慮
- 耐久性・耐震性・省エネ性等の性能の向上とあわせて、全面外装リノベーションの機会をとらえて、外観・外構の修景を行い、周辺と調和した地域の街並に形成に努める。
□工事価格の明確化
- 既存住宅改修工事の持つ課題の一つに、工事価格の不明確さが挙げられる。
- 改修工事の経験と知見に基づき、改修方法をメニュー化することで、見積価格の明確化を図るシステムを提案した。
□神奈川県産材の活用
- 新築住宅 (丹沢桧で造る相模の家) 同様、既存住宅においても、地元製材業者と協働して、神奈川県産の桧や杉を積極的に活用する改修工事を行う。
□公開による啓蒙促進
- 完成見学会を積極的に開催し、改修の効果を公開によりわかりやすく提示することで、既存住宅改修工事の啓蒙促進に努める。
●今後の予定について
既存住宅が売買の際、改修されることなく解体されてしまうのは、「得体の知れない住宅」であるからだ。
的確な調査・診断、知見に基づく工事と再評価を行い、履歴情報に保管することで、「素性の知れた価値ある住宅」へ再生する。
このような長期優良化が既存住宅流通促進の第一歩であると考える。
的確な調査・診断、知見に基づく工事と再評価を行い、履歴情報に保管することで、「素性の知れた価値ある住宅」へ再生する。
このような長期優良化が既存住宅流通促進の第一歩であると考える。