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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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全建連・ちきゆう住宅既存改修システム先導モデル事業

一般社団法人 工務店サポートセンター
〒103-0015
東京都中央区日本橋箱崎町12-4
建設国保会館1F

●基本コンセプトについて

 解体工事や仮住まいの確保を伴う建替、土地の購入を伴う新築に比べ、既存住宅の改修はトータルコストをかなり低く押さえられるだけでなく、解体や撤去による廃材も少ない。
 また、大都市圏では少なくなってきているが、伝統の入母屋住宅や町屋型住宅のように、地域に残された住宅のストックのなかには、伝統的技術、熟練の技能、上質な木材を使用した良質な住宅ストックとなるべき予備軍も多数存在する。しかし、それらの住宅は、新耐震技術、省エネ技術、バリアフリーへの対応などが必ずしも十分とは言えない。
 既存戸建木造住宅の改修は地域工務店の重要課題であると認識し、今回の提案を行う。

●先導的な提案の内容について

「全建連・木造軸組住宅既存改修指針」の整備による総合的劣化診断と改修計画の立案
 工務店へ寄せられる改修工事の依頼内容を見ていくと、使い勝手の向上や仕上げ・設備の老朽化などをきっかけとしたものが多い。しかし、耐震性能や省エネ、高齢化対応への関心も高く総合的な改修工事を進めるには、説得力に優れた劣化診断と改修計画の立案が望まれている。
 耐震改修などが進まない要因のひとつとして、築年数に応じた必要性能を確保する「既存木造住宅改修の指針」がないため、建築主に対して納得できる普遍性の高い改修計画の立案ができていないという点が上げられる。
 改修の対象となる既存住宅の仕様については、基準法の改正や旧住宅金融公庫の仕様書の変遷、建材の出現等を手がかりとして、かなり正確に予測できる。予測結果に基づき必要な改修内容を特定することも可能だ。つまり、建設年度さえ分かれば、必要となる改修工事の内容をある程度まで知ることができるというわけだ。
 そこで、建設年度を基準とした「全建連・木造軸組住宅既存改修指針」を整備し、現況調査等に加え、耐震性能、省エネ性能、耐久性向上、高齢化対応、機能向上の5つの項目からなる総合的劣化診断と改修計画を立案する仕組みを構築する。この「全建連・木造軸組住宅既存改修指針」と現況調査などによって、前出の5つの項目からなる改修計画を提案する。
 
「ちきゆう住宅検査員S」による調査・劣化診断・改修計画の連続した立案、第3者「ちきゆう住宅検査員L」及び既存住宅性能表示制度によるインスペクションシステム
 (財) 住宅リフォーム・紛争処理センターの講習を受けた増改築相談員であり、かつ (財) 日本建築防災協会 (以下、建防協) の「木造建築の耐震診断と補強方法」の講習をうけた建築士の資格を持つ「ちきゆう住宅検査員S (Specialist)」が、調査・劣化総合診断・改修計画立案を連続して行う。
 また、この計画案に対するインスペクションは「ちきゆう住宅検査員L (Leader)」が行なう。「ちきゆう住宅検査員L」は、昨年より施工経験の豊かな「ちきゆう住宅検査員S (建築士)」を対象に実施してきた「耐震診断改修施工指導者講習会」の受講者である (昨年度末実績360名、今年度150名予定)。この講習会は、全建連・工務店サポートセンターが建防協と連携して実施してきたものだ。
 改修工事の完成時には、既存住宅性能評価制度を活用した性能評価機関の評価員による現場調査並びに既存住宅性能評価によるインスペクションを行い、評価書により性能を確認する。
 
「全建連・木造軸組住宅既存改修指針」仕様に基づく「改修工事記録書」(仕様確認型) による施工確認と品質確保
 「改修工事記録書」は、単なる工事写真帳ではなく、改修部位ごとに仕様を目視計測して、記録する部分がセットになっており、改修仕様と施工状況を現場確認することで、工事の品質確保を担う役目を持っている。
 
「既存住宅履歴書」の作成による5年ごとの維持保全計画の実施
 既存住宅のうち、確認申請書の検査済書が残っているものは多いが、伏図を含めた構造関係図書が残っているものは少ない。本提案ではこうした現状を考慮し、目視調査時に分かり得る範囲で「指針」に基づいた現況チェックシートに調査結果を記述する。劣化総合診断に当たっては、建防協の一般診断の精度を向上させるために、現況図 (配置図・仕上げ表・平面図・立面図・断面図or矩計図・伏図) を作成する。
 改修時にその検証を行い、住宅仕様を含めた既存住宅履歴書を作成、その保存活用により5年ごとの定期点検等の維持保全計画を遂行する。
 こうして作成した既存住宅履歴書は、長期優良住宅における新築と同じように (財) ベターリビングと連携し個別IDを発行、新築住宅と同様に工務店サポートセンターによる支援システムを受けられることとしている。
平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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