平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

　この越後上越では、新潟県内でも冬は雪が多く寒い、夏は暑い地域である。
　厳しい自然条件のなかでの住まいは、雪・寒さ・暑さなどによる老朽化、生活スタイルの変化、地震に対する強度不足などにより、これまでの住まいは、30年〜40年で建て替えられてきた。
　しかし、最近は、「家族の財産」として３世代、４世代…と長い期間使い続けたい。
　そんな住まいを考えるお客様が増えてきている。
　長年生活していく中で、建物の老朽化、変化する家族構成や生活様式により、様々な対策なしでは長い期間使い続けることは出来なくなっている。
　ただし、日頃、手入れを続け、維持管理をしっかり行い、節目ごとの大きな変化においてその時代に合った住まいに改修すれば、その後も充分に使え、建て替えよりも安価で、財産としての価値を高めることができる。
　『はるめんとリフレプロジェクト』では、単なるリフォームではなく、リバース (新たに生まれ変わる) を目指し、長きに渡り大切な財産としての住まいをお客様と地域協力業者様と共に創り守っていく。これが当提案の基本的な考え方である。

(1) 断熱気密改修

1. 高断熱高気密改修による「寒さ暑さからの開放」
2. 高断熱高気密改修による「窓、壁、小屋裏の結露からの開放」
3. 既存部分を生かした高断熱高気密改修。「(既存解体撤去材の低減)」
   * 付加断熱気密、充填断熱気密、圧縮グラスウール工法による
4. 自然エネルギ－利用による冷暖房コストの削減 (省エネ、CO2の削減)
   冬…窓より日射による熱の取得
   夏… 建物の内部の風通しの計画を行なう (窓位置計画)

(2) 耐震診断、耐震改修

1. 耐震診断…現状の建物の強さを調査
2. 耐震改修…現況の弱い部分を補強 (評点1.0以上)
   * 評点1は震度5〜6に対して安全に外部に避難できる強度である。

(3) 家族変化、生活変化に伴う改修

1. 夫婦二人の時代、子育ての時代、子供夫婦と同居、シニアライフの時代に合わせた変化に対応できる改修

(4) お客様サポートシステム

1. 住まいの維持メンテナンスに関する情報誌の発行。
2. 年1回のお住まい診断チェックシートによる点検制度。
3. 雪解け後の雪害、凍結害のお住まい点検制度。(雪庇、氷柱、すが漏れ被害など)
4. 住まいの防火対策 (火気使用室の火災警報機の設置、内装の改善)

(5) 住まいのカルテの記録と保存

1. 維持管理データーの保存 (住宅履歴) の記録と保存及びお客様履歴の管理
2. 経年変化部分データー分析及び対策活用

　「雪国上越妙高地域」をメインエリアに、家づくりを通し住まいのあり方・生活スタイルのあり方・克雪対策、そして省エネのあり方など、様々な提案をお客様に対して実践する。

1. 「しっかりつくる」
   　地球環境に合った、耐久性・耐震性・維持管理の容易性に優れた、長期にわたって使用できる住宅。
   　〜厳しい気候に強い家、高断熱・高気密・アプローチや屋根雪処理と対策等〜
   
   
2. 「技術を受け継ぎ伝える」
   　地元気候を熟知し、長期間維持できる住まいの改善と技術の伝承がされる仕組みがなされている。
   　〜新住協の定期技術研修。協力業者との施工方法平準化と検討会実施等〜
   
   
3. 「きちんと手入れする」
   　住まわれる方が住宅に愛着を持つことにより、手入れをして長く大切に使うことの価値を認識できる住宅。
   　〜定期点検制度・家守メンテナンス点検制度・住まい手による点検システム等〜