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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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住環境価値創造モデル
〜地域ネットワークと定期的な診断が可能にする長期優良住宅〜

株式会社 アイジーコンサルティング
〒430-0906
静岡県浜松市中区住吉4-9-5

●基本コンセプトについて

 本モデルの基本的な考えは、「長持ちする住宅をつくる」ではなく、「住宅を長持ちさせる」である。
 我々は住宅メンテナンス事業として実施している年20,000件の定期診断、累計7,923件 (2009年7月末現在) に及ぶ耐震診断の経験から、木造住宅とは、適時に適切なメンテナンスを施すことで初めて、長持ちさせることが出来ると考えるに至った。
 しかし、住宅供給者である工務店や不動産業者には、このメンテナンスサービスを提供出来る余裕・ノウハウは無く、結果、適時に適切なメンテナンスを継続している住まい手は、圧倒的に少ない。
 こうした状況を改善する為、我々が1899年の創業以来実施してきた定期診断を軸に据え、『住まいの総合的な維持管理システム』として仕組化したものが本モデルである。
 これは、既存住宅が個々に持つ特徴に合わせた最適な初期改修を実施し、その後長期に渡り住宅を活用する為の継続的な住宅メンテナンスを行うというものである。
 加えて、地域工務店・不動産業者とのネットワークを形成し、各地域に住宅メンテナンスサービスを通じ、より良い住環境を広げていくものである。

●先導的な提案の内容について

ポイントは3つである。
(1)『計画的な維持管理』の実践
 計画的・定期的なメンテナンスが「住宅を長持ちさせる」為に極めて重要となる。その為、初期改修後必要な メンテナンススケジュールをメンテナンス計画表 (約60年分) にまとめる。
 又、改修後、定期診断と総合診断の2種類の診断を実施する。1つ目の定期診断は劣化事象の早期発見・予防処置を目的とし、2.5年毎に実施する。
 総合診断では、住まいの点検業務に加え、中期的な視点に立った上での改修アドバイス、メンテナンス計画の見直し、更新を行う。これは10年毎の実施とする。両診断とも住まいの大敵である『水』の浸入を防止・早期解消する為、屋根・壁・床下の診断を重視した構成としている。
 
(2)『住宅の総合診断から初期改修を組み立てる』
 本モデルの初期改修では、まず『総合診断』により、個々の住宅の基本性能・劣化の進行度を把握する事から始める。総合診断では、床下や小屋裏といった確認が困難な部位も可能な限り、診断を実施する。
 これは、今まで我々が耐震診断において、実に9割に及ぶ住宅が図面と現況が異なるためである。ここで得た情報を用い「重点的に改修する箇所や現状のまま利用する箇所」を明確化する。
 改修においては、耐久性、耐震性 ((財) 日本建築防災協会:一般診断法で評点1.5を超える基準)、省エネルギー性 (省エネルギー基準4相当) といった基本性能向上を図る。なおかつ、将来の大改修を踏まえ、維持管理等級3基準、耐力壁を原則外周部に設置する等、変化に対応できる良質な居住空間を容易に可能とする設計とした。
 又、判断基準の統一化のため、評価基準書を用いる。これは、診断・施工を行う人材教育の指針・教育基準の明確化にも繋げている。
 
(3)『定期診断が可能にする』地域連携・普及ネットワーク
 住まい手は、生活の中で住まいの改修・予防処置・転売・住み替えの要望・資金計画等、住宅に関わる様々な問題を抱え、またその問題を解決する術を知らず、加えて適切なサービスを提供できる事業者も知らない。
 本モデルでは、様々な問題を定期診断時にヒアリングし、その都度適切な企業・人員が解決できる環境を構築する。又、地域工務店・不動産業者へ本モデルを提供し、住宅メンテナンスサービスを通じて、住まい手と工務店・不動産を結ぶネットワークを形成する。このことが、地域の住宅の長期利用の普及・促進・環境整備につながる。

●今後の予定について

 現場見学会やモデルハウス活用による普及・啓発を行うと共に、本モデルを他の住宅供給者が活用する為のセミナー開催等を行う。これら地域の他業者と協調し広がる活動が、新築に住宅の価値が集中する現在の住宅業界に対し、新たな住環境の価値の創造となり、新しいあり方となる一助になればと考える。
平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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