平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

　住宅を長期間維持していく為には、技術的 (ハード) に建物を長寿命化する仕掛けと共に、そこに住まう人の「住まいへの愛着」すなわち“大切にしたくなる”ソフト面の仕掛けが同時に必要である。その為にはそこに存在することで美しい町並みを形成し、同時に地域文化を育んでいくことの出来る「佇まい」が重要であると考える。
　そこで当社では、北陸の地域に根ざした「和」の意匠を大切にし、立地する場や街並み、地域の景観に調和すること。また、世代を超えたライフステージの変化に対応できるプランニングを基本とし「住み継がれていく愛着」をキーワードに、家づくりのハードとソフトのトータルバランスを考慮した「長期にわたり風化しない住まい」を提案する。

●北陸に根ざした「和」の意匠の継承
　気候風土 (高温多湿、多雨、雪国) に根ざした北陸型パッシブデザインで、美しい町並みと地域文化を育む住まいづくりを提案する。

• 中庭を採り入れた「平入りの招き屋根」
• 建物を保護し、日射・通風利用効果を高める「深い軒の出」
• アースカラーを主軸とした「北陸の町並みに調和する外観色」

●地域の美しい町並みを形成する外構提案
　本物の素材を使用し、永きにわたり北陸の美しい町並み景観と共に歴史を刻むことのできる外構計画を行なう。
　
●世代を超えたライフステージの変化に対応する設計システム
　町並み形成と同時に、1戸の家として長期に住み継がれる愛着を感じる住まいでなくてはならない。年月を経ると家族の暮らし方は変化してゆく。
　また価値観の多様化によりライフスタイルも様々、100の家族が居れば100通りの暮らし方がある。永く愛着を感じて住み継がれていく住まいの条件には、暮らしの変化に対応できる可変性とともに、其々の家族が幸せに暮らし続けられるライフスタイルが反映された住まいでなければならないと考える。
　そのような設計を実践する為に、「我が家の50年カレンダー」等で示される戸々の家族の条件を基に、専任の設計チームが様々な側面から仮説検証を重ねてコンセプトを構築。時間軸変化と多様なライフスタイルを反映し、永く愛着を感じて住み継いでいける質の高い住まいを提供する。
　
●耐久性の高い構造体
　－プレウォール工法－
　木造軸組駆体に断熱材と構造用パネルを一体として組み込んだ真壁造の面材耐力壁パネル=「プレウォール工法」を全棟において採用する。弊社グループ企業工場にて軸組材である柱や梁と一体化し、壁面ユニットとして組付けを行なったユニットを現場で組立てる合理的かつ、高い施工精度と品質管理を有したシステムとなっている。
　「プレウォール工法」は (財) 日本住宅・木材技術センターの「木造住宅合理化システム」や (財) 建築環境・省エネルギー機構の「次世代省エネルギー評定」を受けたシステムである。
　また、断熱材にはほぼ吸水することのない「押出し法ポリスチレンフォーム保温板3種」を採用し、年間を通じて湿度の高い北陸特有の気候に対して、経年劣化による性能低下や万一の場合の吸湿・吸水による欠陥を生じることのないものとして、ハード面での長寿命化に大きく貢献するものと捉えている。

　本提案を広く認知されるための訴求活動として、同一物件にて現場見学会と完成見学会をセットとして開催する。
　
【施工現場見学会】
　「耐久性の高い構造体－プレウォール工法－」の高い施工精度と品質を実際に構造体として立ち上がった現場にて目で見て触れて実体験として体感してもらいながら、最低2日間開催する。
　
【完成見学会】
　外構工事も含めて完成した形での完成見学会を最低2日間開催。「住み継がれていく愛着」をテーマに、本提案の考え方が反映された北陸に根ざした意匠、世代を越えたライフステージの変化に対応できるプランニング「長期にわたり風化しない住まい」を完成邸見学を通じて体感してもらう。
　
【運営方法】
集客：新聞告知、折込チラシ、ホームページにより広く見学会を告知。
ツール：関連する様々な提案内容や取組み、事例紹介等について、パネル展示と共に見学会会場にて来場者に説明する。
データ：来場者には見学された感想や長期優良住宅への関心など、定型アンケート用紙を使って意見を収集する。
情報公開：集められた意見は、ホームページに掲載し広く公開することとし、地域市場に対して弊社の取組みを訴求していく。