平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

　当社では、1995年より、高断熱・高気密・高耐震構造体パネル「スーパーウォール (以下SW)」を供給している。これまでに、「SWパネル」を用いて建設された高性能木造軸組・枠組工法システム住宅 (以下、「SW工法」という) の供給数は累計で約35,000棟に上る。
　さらに、この「SW工法」を軸に、建材・設備の供給および付帯する設計技術の支援を通じて、地域密着型の工務店の建物性能、設計力、施工品質、営業力の向上も進めている。
　今回提案した「トステムSW安心サポートパック」は、「SW工法」取扱いの加盟店 (地域の工務店) 向けに、住宅の維持管理を総合的に支援する新しいサービスの提案である。“修繕積み立て制度”“無料点検制度”“住宅履歴情報電子化サポート”など、7つの項目をパッケージ化することで、新しいビジネスモデルとして地域の工務店への定着を狙いとしている。

1.コンセプト
　長期優良住宅の普及・促進を目的に「設計対応力のサポート」「維持管理を安定的に行なうインフラの提供」さらに維持管理の主役である住まい手の啓発となりうる「維持管理費用面でのサポート」を中心に「SW工法」取扱い加盟店を総合的に支援する新しい提案である。
　
2.提案内容
　7つの項目をパッケージ化することで、中小工務店の長期優良住宅供給、維持管理にあたっての課題を解決していく。
(1) 修繕積み立て制度
(2) 無料点検保証
(3) 無料点検引継ぎ制度
(4) 二方向点検通知システム
(5) 住宅履歴情報電子化サポート
(6) 使用建材・設備の製造年・ロット記録
(7) 長期優良住宅認定設計サポート

3.モデル事業における組織・体制
　SW工法加盟工務店と住まい手の請負契約を中心に、トステム、情報サービス機関および保険会社のコンソーシアム (提携) により、それぞれが長期優良住宅供給、維持管理に必要なサポートを行なっていく体制を基本とする。

4.モデル事業の時系列イメージ
　長期優良住宅の観点からたてた維持管理計画を情報サービス機関に登録、保管し、その計画に基づいた事前点検通知により、確実に無料点検を行なう。修繕が必要となると想定される10、20、30年目には修繕費積み立ての満期になり、住まい手の費用面の懸念が軽減される。

　今回採択された長期優良住宅先導的モデル事業を「トステムSW安心サポートパック (先導モデル版)」として、2010年1月よりモデル展開していく。さらに、今回採択されたモデル事業の内容から“修繕積み立て制度”“無料点検制度”“住宅履歴情報電子化サポート”の3項目をパッケージ化した「トステムSW安心サポートパック (普及版)」を、新サービスとしてSW加盟店向けに提案する。
　
(1) 30年間無料定期点検制度
　住宅引渡し後、3ヶ月、6ヶ月、1年、5年、10年、20年、30年目の計7回、建てた工務店 (SW加盟店) が定期点検を無料で行ない、補修・修繕が必要な場合は提案する。(定期点検の事前案内通知を行なう)
　
(2) 住宅履歴情報サービス
　住宅の設計図書や補修・修繕記録など、住宅履歴情報を専門会社によって電子化し、長期保管 (30年間) を行なう。
　また、住宅履歴情報はインターネットを利用して、24時間365日、いつでも閲覧出力^※ができる。
　※インターネットを利用した閲覧サービスは、一部実施していない会社もある。

(3) SW修繕積立制度
　保険会社と契約を行なうことで、計画的な積立が可能となり、将来必要になる住宅の補修・修繕費用に備える。(加入後10年目、20年目、30年目の修繕費用等に利用できる)