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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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九州の木材流通産直システム (森林認証の住まい)

熊本の杉・天然乾燥研究会
〒861-4101
熊本県熊本市近見8-9-85

●基本コンセプトについて

 熊本の杉・天然乾燥研究会は工務店4社と素材生産者・製材所・九州の無垢の木の使い方アドバイザーと設計事務所の計27社で構成。連携により地域全体での技術の向上と発展、技術技能の継承に寄与している。さらに環境と品質に配慮した高品質の木材の安定供給。商圏は熊本県から福岡県まで拡大し、今後、更により多くの住まいを供給するための先導的な流通産直システムとして普及を目指している。また、ライフ・サイクル・アセスメント (LCA) の木材利用の分野 (CO2削減) にも寄与している。
 近くの山の木を山で葉付乾燥し、近くの製材所で製材・加工して、近くのマーケットに「住宅」を提供する。「顔の見える木材での住まいづくり」、即ちトレーサビリティー (生産履歴公開) の実践による100%国産材の「住まいづくり」を年間200棟以上 (平成20年度) 実践中だ。

●先導的な提案の内容について

・「顔の見える木材での家づくり」ネットワーク
 素材生産業者 (林業者 (株) 泉林業等、製材業 (株) 尾方製材等) と工務店グループ4社 (新産住拓 (株)・エコワークス (株)・(株) すまい工房・(株) 熊本住拓センター、他設計グループ等) の連携による地産地消、100%国産材の「住まいづくり」を実践する。

・森林認証 SGEC (木造等循環型社会形成)
 SGECの認証材を使用した住まいを普及し国内森林を守る。具体的には、全棟SGEC認証林材使用の住宅として熊本県から福岡県まで供給を拡大していく。
 
・CO2の発生量の低減
 山で葉付き乾燥を2〜3ヶ月間、木材を粗挽きしたあとに、大黒柱、梁などは1年以上の天然乾燥をする。「葉付き乾燥」とは葉の蒸散作用を利用して、自然にじっくり醸成、乾燥させる方法。この乾燥方法による木材は流通過程での重量が軽く (約1/2) なるため輸送コストが軽減され、更に、自然エネルギー (太陽と風) を利用した天然乾燥のゼロエネルギーでCO2の発生量をおさえられる。
 
・循環社会形成普及活動と技能の継承者育成
 長期優良住宅の「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」というストック社会の住宅のありかたについて提案、長期優良住宅普及の情報提供を地域活動として積極的に行う。
 技能の継承者育成のため大工研修生を受入れ養成・施工協力業者 (技能の継承者) の育成勉強会等も積極的に行なっている。

・木材流通産直システムを活かした木材使用方法
 長期に耐力・耐久性を確保するために無垢の100%国産材 (構造材、羽柄材) を使用。構造軸組は骨太、柱は最低寸法12cm以上、大黒柱21cm角以上を標準的に施工、大黒柱は屋根まで達する最大8.5m材まで対応可能、押入、床、は無垢板、1階の床は30mm以上の杉板等を使用、調湿効果を促し耐久性と強度確保、更に環境配慮やシックハウス対策にもなっている。
 
・木材流通産直システムの品質管理
 木材流通産直システムにより、超長期の構造安定に効果的な品質規格の安定供給が可能となった。これにより安定した品質が確保できる。
 
・トレーサビリティー (生産履歴公開)・地産地消により地域の活性化と発展に寄与
 顧客の希望により、無垢材の造作家具に地元の窯元と連携し地元焼物 (小代焼) の手洗い器を組み合わせて提供。地元の「イ草生産者と畳製造工場」と連携し健康畳も提供している。

●今後の予定について

 これまで一般ユーザーが長期優良住宅を体感するための宿泊体験館1棟を建設し、1年以上活用してきた。
 今後は長期優良住宅の普及のための総合展示場モデル1棟を建設する予定だ。
 さらに地域の産業発展のための技能者育成研修会を実施 (平成21年10月中旬開催済) する。木育・長期優良住宅の普及啓蒙活動としてイベントも開催する。
平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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