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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

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イノスグループ「Simpleに永く住まうプロジェクト2009」

イノスグループ
〒100-8270
東京都千代田区大手町1-3-2

●基本コンセプトについて

 永く暮らせる住まいとはどのようなカタチなのか。それは「時間 (年月) に寄り添う住まい」であるとイノスグループは考えた。
 環境に配慮しながら、住まいを永く大切に使っていくために次の4つの視点で住まいづくりと家守りを実現する「イノス・フォーサイト」の考え方を提案した。
  1. 外装材や給排水設備などの経年変化に対しても調達が容易な材料を使用すること。
  2. メンテナンススペースの十分な確保によって点検・補修が容易にできること。
  3. 家族数や子どもの成長などによる暮らし方の変化に対して間取りを容易に変更できること。
  4. 住まいの熱環境の安定を追求し快適で健康的な暮らしができること。
 これら4つの条件を満たす「住まいづくり」と、住まい手とともにつくる「家守り」を実現したいと考えた。

●先導的な提案の内容について

【主要構造部材等の調達】
 土台、梁大引、梁・桁は国産材ラミナで構成された「スギ・ヒノキハイブリッド集成材」をウッドエナジー協同組合、宮崎県木材利用技術センターと共同開発、また、柱は国産「ヒノキ集成材」を採用することで、国内の森林の適正な整備保全に貢献する。
 断熱耐力壁として、杉枠材の両面に針葉樹合板を張り、断熱材にセルロースファイバーを充填した面耐力パネルを新たに開発した。
 
【維持管理の容易性確保】
 小屋梁の上に断熱パネルを全面施工することにより水平剛性と点検・補修のための足場を確保する。
 基礎高GL+500mm、土台・梁大引方式を採用、高さ最大670mmの床束の無い床下空間を確保することで、住まい手も床下からのメンテナンス等を容易に行うことができる。
 ヘッダー方式の給水・給湯・排水の集中化による配管接点の減少で点検が容易になる。また、複数の排水配管を合流後に屋外に排水する集合管方式のため、基礎貫通個所の大幅な削減により維持管理の容易性向上が期待できる。
 
【スケルトン・インフィルの考え方】
 4間×4間の正方形プランの出隅片側に面耐力パネルとプラン中央部に構造柱を配置したSimpleな基本構造とすることで、地震等の水平力による建物のねじれを小さくする。
 外部 (スケルトン) 構造はそのままに、内部 (インフィル) 部分を軽量鉄骨下地とすることで、間仕切りの移動・再利用が容易となり、子供の成長や家族構成の変化に対応する住空間の可変性を高めている。
 
【環境に優しいパッシブ設計】
 自然エネルギーを利用した設計提案により、室内環境をできる限り安定させ、空調設備への依存を最小限にする。
 したがって住まい手の快適性を向上させるとともに、CO2の排出量の削減にも寄与することができる。

●今後の予定について

 今後はイノスグループで行なう研修や交流などを通じて、長期優良住宅の普及における事例の情報交換を行なうことでその理解をさらに深め、地域に密着した住宅関連産業の活性化および循環型社会形成にむけて積極的に取り組んでいく。
 そのひとつとして、今回採択された先導的モデルをベースに、そのエッセンスを盛り込んだ普及型商品の開発を予定しており、ひとりでも多くの方に長期優良住宅の良さを体感していただくことで「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」というストック型社会の形成にも貢献していきたいと考えている。
 イノスグループは、住友林業が中心となり平成6年にスタートした全国の地域優良建設会社から構成される家づくりネットワークで、全国に321社 (2009年10月末日現在) の会員を有するグループである。今回の先導的モデル事業は加盟する会員建設会社への技術提供の一環として申請したもので、今後とも会員建設会社の技術面の向上ならびにグループ力の強化を図る。イノスグループに興味のある地域の建設会社に入会して いただき、「安全・安心の住まいづくり」を更に推進していく。
平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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