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平成21年度 第2回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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地域材を使用した枠組壁工法住宅 (北海道、長野、四国、南九州)

三井ホーム北海道 株式会社
〒065-0014
北海道札幌市東区北14条東14丁目2番5号
長野中央ホーム 株式会社
〒390-0847
長野県松本市笹部1-3-6
新四国ホーム 株式会社
〒761-8071
香川県高松市伏石町2061番地7
三井ホーム鹿児島 株式会社
〒892-0846
鹿児島県鹿児島市加治屋町12-7
日本生命鹿児島加治屋町ビル1階

●基本コンセプトについて

 枠組壁工法は、19世紀に北米で生まれ進化してきた工法である。北米はもとより日本を含め、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド等でもその性能は高く評価され、現在では住宅のグローバルスタンダードとなっており、100年を超える長寿の住宅も数多く現存している。各社では、枠組壁工法住宅を安定的に供給しており、長期にわたって住宅に利用するべく、構造躯体のみならず外装材にも高耐久仕様を採用し、10年目有料メンテナンス実施による「20年保証システム」や60年点検システムなどを導入している。このように、各社は建物の物理性能を高めるとともに、定期的なメンテナンスにより、長期的にわたり循環利用できる良質な住宅ストックを供給することができると考えている。

●先導的な提案の内容について

 枠組壁工法住宅にて使用する枠組材の多くはJASの枠組壁工法構造用製材であり、ほぼ100%輸入している。一方、国産材への取り組みとしては三井ホームにて実績があり、平成5年から福島、熊本、宮崎などで国産材を使用したモデル住宅を建設しており、その経験を基に一般住宅へ取り組むこととした。今回は各社共通の提案として、たて枠材に地域産材・国産材の製材あるいは構造用集成材を、また、一部地域では国産材のみで構成された構造用合板を利用する。その結果、地域の住宅関連産業の振興と木材市場の活性化に寄与すると考えている。
 次に、北海道、長野、四国、南九州それぞれの地域に根ざし、それらの地域の気候風土に合った住宅への提案の一部を示す。

【北海道】
 三井ホーム北海道では、植林から製品にいたるまでの道産木材利用にかかわるプロセスをお客様自身が参加し体験する「道産林体感ツアー」を実施する。これは循環型社会の一員であることの意識を高めてもらい我が家により一層の愛着を持ってもらうことで、永く住み継がれるきっかけ・動機づけを行う。また、北海道の気候風土にあった建物仕様として、外部耐力壁には断面積の大きな206材を使用し大きな積雪荷重にも余力を確保する、無落雪屋根のために開発された、コネックトラス構造とする、外壁は140mm断熱仕様とし、外部サッシはすべて樹脂サッシ+Low-Eガラス仕様とする等の居室の快適性を向上することに配慮する。
 
【長野】
 建設地の信州の気候風土に適した性能の建物を提供し、さらにお客様によるお手入れと専門家による「長期メンテナンスシステム」の体制を独自に作っている。長野中央ホームでは、今までお引渡し済みの5,000棟のお客様に向けて、全社員で「つながる会」の活動を継続しており各種イベントを行っている。この「つながる会」の活動により、オーナーとの良好な関係を継続し、メンテナンスへの理解度が深まり、当社とオーナーが一緒になって建物の維持管理を行うことが可能となる。また、(財) 建築環境・省エネルギー機構による「環境共生住宅」を提案し、自然豊かで、建設地の敷地面積も広めな長野県において、敷地の緑化や室内環境の向上などで、より一層の環境への取り組みを行う。
 
【四国】
 四国の香川県・愛媛県は瀬戸内海に面して気候は温暖で、日照時間は全国でも6位に入る程晴れの日が多い反面、初夏から夏にかけては雨が少なく、例年深刻な水不足も発生している。そこで、新四国ホーム・四国中央ホームでは渇水時でも雨水・全館空調機からの結露水を利用した庭木への散水等に利用する散水システムを導入する。また、四国では左官による仕上げ (鏝絵やうだつ) が伝統的に建築に用いられており、左官の伝統技術を継承する風土がある。湿式外壁下地 (BSW) 工法は、この伝統技能に現代の技術を融合することで建物の耐久性を高めつつ地域の景観やまちなみにあった建物とすることができる。
 
【南九州】
 三井ホーム鹿児島では、構造材に地域産材・国産材を使用するだけでなく、鹿児島の地域産材である竹炭・シラス (火山灰土) を主原料とした建材を使用することで、地域の経済・住宅産業の活性化に寄与すると考えている。また、気候・風土との共生として、鹿児島特有の強い日射・桜島の降灰・台風・温暖多湿な気候の中で、将来にわたり快適に暮らすことができる住まいとして、高気密・高断熱住宅の提案だけでなく、全館空調を標準仕様とする。

●今後の予定について

 今後は、本提案とともに長期優良住宅のコンセプトをより広く普及・定着させていくために、リーフレットの配布や現場見学会等も行っていく。また、より一層の住宅の品質・性能向上と長寿命化に関する技術開発を行い、世代を超えて循環利用される社会的資産としての住宅ストックの形成を目指していく。
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