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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

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『住宅性能評価比較.com』による既存マンション情報蓄積及び流通時の情報活用

大和ハウス工業 株式会社
〒530-8241
大阪府大阪市北区梅田3-3-5

●基本コンセプトについて

 当事業の基本的な考え方は分譲マンションにおける「住宅履歴情報の一元管理と流通時の適切な活用」である。特に、住宅性能評価書による物件の比較と維持管理情報に基づく既存マンションの適正な評価が当事業の核となっている。
 基本性能の高い住宅が長期優良住宅として適切に維持管理され、社会資産として定着していくためには、供給者、消費者双方において、その必要性の認識と意識の向上が不可欠である。
 しかし、現在の中古住宅流通市場においては、物件の資産価値を表す価格査定が周辺相場や築年数のみで行われ、建物自体の性能や維持管理の状態はほとんど反映されていない。さらに中古マンションにおいては、専有部のみならず、共用部の管理状況が入居後の生活に大きく影響を及ぼすにも関わらず取引情報の中にはほとんど含まれておらず、現地での視覚情報に頼るのみというのが現状である。また、物件比較のために導入された「住宅性能表示制度」も適正に活用されておらず、中古住宅流通市場では利用数自体伸び悩んでいる。新築時点での性能評価の情報を参考にしようとしても、書類として渡されているため、紛失しているケースも多く、「良質なストックの形成」に寄与しているとは言いがたい。これに対し、当事業は不動産取引時の確実な情報提供と活用を目的とし─
  1. 検討している複数物件の性能評価の結果が直接比較できること
  2. 新築時の建物情報から入居後の維持管理までの情報が一元的に管理され、中古取引時に価格査定に活用できること
 ─により優良な物件が適正な評価を受けることになり、ひいては中古市場全体に長期優良住宅の取り扱う機運が高まり、良質な社会資本の形成に寄与できると考えている。

●先導的な提案の内容について

 具体的な提案内容としては、専用サイトの開設とサイトを利用した不動産流通の仕組みの構築である。具体的には以下の流れとなる
  1. デベロッパーによる新築時建物情報登録 (マンションの建設地、戸数、建設会社名などの基本情報)

  2. デベロッパーによる新築時性能評価情報登録 (特に長期優良住宅認定の性能基準に該当する性能の状況がわかるよう、取得済の住宅性能評価書の記載内容を詳細情報まで登録)

  3. 管理会社が行う管理業務の情報登録及び維持管理メンテナンス情報の登録 (「マンションみらいネット」の登録内容と同等の維持管理情報)

  4. 上記1.〜3.の情報内容のうち、性能評価等級など一部の基本情報について、サイト上で公開し、不動産仲介会社から特に別途申込のあった場合は詳細情報まで含む一覧書式にて提供 (管理組合より開示承諾が得られた範囲)

  5. 上記4.で提供された登録情報に基づく適正な物件査定のサポート

  6. 上記4.と同様に、一部基本情報についてサイト上での公開 (マンション選定時に優良物件を選定するための参考資料を提供することで、良質な既存住宅の流通を促進)

  7. 入居者自身による専有部分の維持管理・修繕履歴等の情報登録
 このうち1.〜3.の取り組みにより、散逸しやすい基本性能情報や、定型的に入手しにくい維持管理情報などを一括して代行管理できる。また、4.により物件提案書の作成が簡便になり、不動産仲介会社担当の手間が軽減される。さらに物件の購入検討者にとって物件を把握するのに充分な情報を取り揃えることで取引の信頼性が増し、意思決定も迅速になることが期待できる。一方、一般消費者にとっては、6.によって物件探索時点から性能評価等による比較ができ、早い段階から物件を絞り込んで検討することで、効率良く優良な物件を取得することができる。

●今後の予定について

 当事業が上記の期待通りの成果を収めるためには、当社及びグループ会社だけではなく、他デベロッパーや管理会社、不動産仲介会社にも呼びかけ、参画企業を拡げていくことが重要となる。広範囲に協力を仰ぐことで登録物件を増やすことができ、消費者にとっても仲介会社にとっても利用機会が増し、利用のメリットも増大する。そのために、既存住宅流通市場の研究会組織を立ち上げ、当事業への参加を募るとともに、その意見をシステム開発に反映し、住宅性能評価結果による物件比較や維持管理状況に基づく判断など情報の活用方法についても検討していきたい。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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