平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
IT管理を活用した構造変更と意匠設計の整合性を判断した長寿命化高性能リフォーム (大規模改修版)
有限責任中間法人 日本増改築産業協会
〒104-0032
東京都中央区八丁堀1-3-2 佐藤ビル
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●基本コンセプトについて
既築住宅を長期に渡り安心して維持・利用するために行うリフォームでは、設計図書がある比較的新しい住宅でも、現場調査をしっかり行い、現状の基本性能を改めて判断し適切な改修を行わなければならない。
その中で、我々が特に注力しているのは、耐震性の向上だけでなく、耐久性に関わる構造躯体の劣化・腐朽による長期荷重に対する構造の安定性である。既存住宅では2階不陸の事故が増加しているが、その約4割は架構設計 (伏図作成) に、また他の4割は意匠設計 (プラン設計) に問題があると言われている。また構造性能がしっかりした建物でも、リフォームによる構造変更、間取り変更等により当初の性能を損なうことが、現実問題として起きている。
その中で、我々が特に注力しているのは、耐震性の向上だけでなく、耐久性に関わる構造躯体の劣化・腐朽による長期荷重に対する構造の安定性である。既存住宅では2階不陸の事故が増加しているが、その約4割は架構設計 (伏図作成) に、また他の4割は意匠設計 (プラン設計) に問題があると言われている。また構造性能がしっかりした建物でも、リフォームによる構造変更、間取り変更等により当初の性能を損なうことが、現実問題として起きている。
●先導的な提案の内容について
今回の提案は、これまで見過ごされてきた長期荷重の問題を初期検討の第一とし、耐震診断とともに「柱・壁直下率チェック」の結果に基づいた長期耐久性を考慮した躯体構造の改修を行うリフォームである。具体的には、昨年度の補助事業として採択されたIT機器を活用した現場情報の管理システムを使い、現場調査、既存構造の把握を行い、既存建物の伏図作成など問題点を迅速に解決し、鉛直荷重処理が良好となるようなプラン作りを行うものである。
加えて、省エネ・断熱性についても、環境問題の観点から既存住宅でも大変重要な性能向上項目である。しかし大規模改修では省エネルギー性を確保することは、その部位、性能レベルにおいて非常にコストが掛かり施工的に難しい場合が多い。特に次世代省エネレベルの大規模改修ではコスト、技術共に非常に高いものが要求される。そこで今回の提案では、技術・コスト問題をクリアーすべく、次世代省エネレベルに達しないまでも、断熱サッシ又はインナーサッシへの交換、又は複層ガラスへの交換など、一般的なリフォームで可能な省エネ性能の確保を必ず行うこととしている。
更に、長期優良住宅普及促進法の「住宅履歴」にならい、既存住宅でのリフォームにおいてもその必要性は非常に大きい。特に上記で述べてきたように、現状の構造性能を改めて把握することは、既存住宅の「住宅履歴」を保存・活用するうえでベースになるものであると考えている。今回の提案では新築の場合と同様にITシステムを使い会員向けの「リフォーム履歴」の保存を行うこととしている。昨年の先導的モデル事業で構築したデーターベース、情報収集のノウハウを生かすとともに、住宅を長くより良く使うための消費者の大切な情報を安心して管理、また利用してもらえるよう協会として長期間保管していく考えである。そして会員に万一のことがあった場合でも消費者が安心できる体制を協会として構築する意向である。
履歴の項目は、以下のもの等とし新築の住宅履歴にはないリフォーム独自のものとする。
そこで大規模改修においても、継続的・段階的に建物性能を向上させられるよう施主の要望に応じて「既存住宅長寿命化改修計画」を作成。ITによる現場情報等を基に、構造性能・長期利用のための維持・性能アップを段階的に行えるようにして施主の経済的な負担の少ない有効的な手段を講じるようにする。
その場合、計画の中に優先順位を明確に位置づけ、リフォームする度に「通信簿」的な評価して長期利用のため関心・意欲への施主の向上心を高めてもらうようにしたいと考えている。
工事の優先順位としては、
(1) 第一期工事=構造・省エネ効果が発揮できる断熱の基本性能の土台を作り上げる
(2) 第二期工事=維持メンテナンス性能を中心に性能評価を位置づける
(3) 第三期工事=保全・維持に対するメンテナンス
加えて、省エネ・断熱性についても、環境問題の観点から既存住宅でも大変重要な性能向上項目である。しかし大規模改修では省エネルギー性を確保することは、その部位、性能レベルにおいて非常にコストが掛かり施工的に難しい場合が多い。特に次世代省エネレベルの大規模改修ではコスト、技術共に非常に高いものが要求される。そこで今回の提案では、技術・コスト問題をクリアーすべく、次世代省エネレベルに達しないまでも、断熱サッシ又はインナーサッシへの交換、又は複層ガラスへの交換など、一般的なリフォームで可能な省エネ性能の確保を必ず行うこととしている。
更に、長期優良住宅普及促進法の「住宅履歴」にならい、既存住宅でのリフォームにおいてもその必要性は非常に大きい。特に上記で述べてきたように、現状の構造性能を改めて把握することは、既存住宅の「住宅履歴」を保存・活用するうえでベースになるものであると考えている。今回の提案では新築の場合と同様にITシステムを使い会員向けの「リフォーム履歴」の保存を行うこととしている。昨年の先導的モデル事業で構築したデーターベース、情報収集のノウハウを生かすとともに、住宅を長くより良く使うための消費者の大切な情報を安心して管理、また利用してもらえるよう協会として長期間保管していく考えである。そして会員に万一のことがあった場合でも消費者が安心できる体制を協会として構築する意向である。
履歴の項目は、以下のもの等とし新築の住宅履歴にはないリフォーム独自のものとする。
- 既存構造躯体の把握に必要な図面を作成する。(伏図含めた現調図)
- 壁・柱直下率チェック図
- 一般耐震診断図
- メンテナンス履歴
そこで大規模改修においても、継続的・段階的に建物性能を向上させられるよう施主の要望に応じて「既存住宅長寿命化改修計画」を作成。ITによる現場情報等を基に、構造性能・長期利用のための維持・性能アップを段階的に行えるようにして施主の経済的な負担の少ない有効的な手段を講じるようにする。
その場合、計画の中に優先順位を明確に位置づけ、リフォームする度に「通信簿」的な評価して長期利用のため関心・意欲への施主の向上心を高めてもらうようにしたいと考えている。
工事の優先順位としては、
(1) 第一期工事=構造・省エネ効果が発揮できる断熱の基本性能の土台を作り上げる
(2) 第二期工事=維持メンテナンス性能を中心に性能評価を位置づける
(3) 第三期工事=保全・維持に対するメンテナンス
●今後の予定について
最後に、普及・啓蒙では、各現場での活動のほか、当協会で毎年行われているリフォームデザインコンテストでも、これらの物件を表彰の対象とし、デザインを担当するインテリアコーディネーター等にもリフォーム工事での住宅長寿命化の意味・性能等について意識を深めてもらう考えである。