平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
進化するヒルズ横浜南ガーデニア
ヒルズ横浜南ガーデニア管理組合
●基本コンセプトについて
横浜の丘陵地に新耐震以降に建設された築25年の分譲共同住宅 (2棟) の長寿命化を図る。全国的に見てもこの時期に1年に約10万戸の共同住宅が建設されており、その多くにおいて耐久性・耐震性の向上や省エネ・バリアフリー改修が必要とされている。しかし、分譲共同住宅においてこれらの改修を住まいながら一度に行うのは住民の負担や合意形成の面で難しい。また、居住者の高齢化や区分所有の為、屋内外一体の改修が難しいという問題点があげられる。今後の持続可能性を考えたときに、省エネ手法やそれに基づく住まい方・維持管理方法を体系化し、それに基づき住民が自発的に実施すべく体制とする必要がある。
このように既存の分譲共同住宅では建物本体の改修 (ハード) の前にそれを実現する為のシステム (ソフト) づくりが重要になる。ヒルズ横浜南ガーデニアでは、ソフト・ハード両面の提案をすることで同様の共同住宅のモデルとなるような住まいの改修システム作りを提案する。
また、これらを実践する事で、安全・安心の確保と、快適性(健康・美観を含む)を満たした住環境の実現と、それが資産価値の向上につながるような現状から将来に向けて進化する共同住宅づくりを行う。
このように既存の分譲共同住宅では建物本体の改修 (ハード) の前にそれを実現する為のシステム (ソフト) づくりが重要になる。ヒルズ横浜南ガーデニアでは、ソフト・ハード両面の提案をすることで同様の共同住宅のモデルとなるような住まいの改修システム作りを提案する。
また、これらを実践する事で、安全・安心の確保と、快適性(健康・美観を含む)を満たした住環境の実現と、それが資産価値の向上につながるような現状から将来に向けて進化する共同住宅づくりを行う。
●先導的な提案の内容について
基本方針として、長寿命化を行った上で、環境基本性能の向上を一体的に行い、更にバリアフリー化など高齢者や子供にやさしいすまいとする事を検討していく。また、周辺環境への配慮、コミュニティの形成に寄与する提案を含むことで、ソフトからハードまで含めた一体的な改修を行う。
- 躯体損傷部分の補修・中性化防止工事・コンクリート強度の確認に加え、構造計算の再計算を実施して耐震性の安全を確認し、建物の長寿命化を図る。
- 環境基本性能の向上として、主に (1) 次世代省エネ基準相当の外断熱工事、(2) 日射遮蔽スクリーン掛けの設置、(3) 開口部の断熱化 (複層ガラス)、(4) 共用部照明を省エネ機器に交換、(5) 屋上に太陽光発電装置の基礎設置などを行う。
- 地域景観の形成として、テクスチャーの塗装 (外断熱部分壁面) と木材の組み合わせにより、感性に訴える建物外観とする。共有部の緑化による癒しの空間を創出する。
- コミュニティを支えるバリアフリー・防犯・防災対策として、既存集会室とその周辺のリニューアル、外構通路の各所に居住者が集う憩いの場を設置。またそこにかまどベンチの設置など災害時の対策を行う。
- 事前事後にサーモグラフィーやエネルギー消費量の調査など、省エネ改修効果の実証を行う。
- 共用部改修の履歴と、専有部の補修など家歴書作成を行い、住戸の資産価値の向上や、安全・安心なすまいを実現する。
- 専有部改修時の指針として専有部改修ガイドラインを作成し、共用部改修と一体的で相乗効果のある改修を誘導する。またそれに対応するよう規約も改正する。
居住者に高齢者が増えつつあること、丘陵地である、分譲住宅である、など全国の多くの共同住宅に共通の課題を抱えている。管理組合が主体となって、建物の長寿命化からコミュニティ形成まで含む今回の提案が、全国の同様の共同住宅に汎用性のあるモデルとなることができると考えている。
また、住民の合意の上で、本事業を進めていくことを検討しているため、居住者への環境教育などの効果も期待される。