平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
京都方式 (木造テラスハウス×スケルトン定借)
〜京都宇多野コーポラティブハウス〜
〜京都宇多野コーポラティブハウス〜
株式会社 キューブ
〒650-0002
神戸市中央区北野町1-5-25 アンビエンテ北野2F
神戸市中央区北野町1-5-25 アンビエンテ北野2F
●基本コンセプトについて
京都は1200年以上の歴史をもつまち。京町家の瓦屋根のつらなり、神社仏閣の木々の緑、東西北三方の山の稜線など。これらが京都の落ち着いたまちなみを形成している。建物はまちなみを構成する重要なピースといえる。
しかし、都心部の地価は高く、経済至上主義の開発では中高層マンションになりやすい。これは京都のまちなみに調和せず、これまでも数々の景観論争を起こしてきた。また、マンションの区分所有には、その持続可能性に疑問が投げかけられている。
近年、京都では景観法に基づく景観計画も策定され、まちなみ・景観に対する意識はますます高まっている。まちなみに調和しつつ、建物 (個々のピース) は時代にあわせて維持管理、機能・性能の向上をはかることができ、良好なまちなみを次世代に継承し、持続可能な住宅が期待されている。本提案は、そのための住宅モデルとそれを実現する仕組みを提示する。
しかし、都心部の地価は高く、経済至上主義の開発では中高層マンションになりやすい。これは京都のまちなみに調和せず、これまでも数々の景観論争を起こしてきた。また、マンションの区分所有には、その持続可能性に疑問が投げかけられている。
近年、京都では景観法に基づく景観計画も策定され、まちなみ・景観に対する意識はますます高まっている。まちなみに調和しつつ、建物 (個々のピース) は時代にあわせて維持管理、機能・性能の向上をはかることができ、良好なまちなみを次世代に継承し、持続可能な住宅が期待されている。本提案は、そのための住宅モデルとそれを実現する仕組みを提示する。
●先導的な提案の内容について
「京都方式=木造テラスハウス×スケルトン定借」の提案〜まちなみに調和する低層の木造テラスハウスと定期借地のコラボレーション〜
京都のまちなみに相応しい住宅モデルとして、低層の木造テラスハウス形式 (現代の集合町家) を提案する。
この低層テラスハウスを都心部で実現する仕組みとして、定期借地権を採用する。これは定期借地とすることで、土地に建物(床)を詰め込む必要がなくなり、地価の高い都心部でも低層住宅が実現しやすくなるためである。また、定期借地による土地活用で「従前の緑を残したい」などの地主意向にも応えることができる。
◇長期に渡り住宅を良好に受け継ぐ仕組み─「スケルトン定借」の利用─
スケルトン定借は、スケルトン・インフィル (SI) 方式の建物と、建物譲渡特約付き定期借地権を組み合わせて採用する。これによって、長期耐用性と可変性 (時代にあったニーズ対応性) を両立する。
30〜35年は持家 (土地は借地) であるが、30〜35年後の建物譲渡特約の行使により建物は地主に引き継がれる。土地と建物の所有を一元化することで、安定的な建物の維持管理へ繋げる。
建物譲渡特約の存在により、区分所有者に維持管理のインセンティブを付与する。建物の維持管理状態が30〜35年後の買取価格に影響するためである。
◇テラスハウス形式による維持管理性の向上─持続可能性を備えた現代の集合町家の実現─
町家は連続建てのようにみえるが、個々に独立した構造である。まちなみの連続性と個々の独立性 (維持管理、更新の容易性を確保) を兼ね備えている。
本提案のテラスハウス形式では、戸境壁の二重 (ダブルウォール) 化により、構造的独立性が保たれるので、区分所有建物でありながら、個別の維持管理や構造部材のやりかえ (更新) も容易となる。
◇京都宇多野コーポラティブハウスの概要
〈京都方式 (木造テラスハウス×スケルトン定借) の採用〉
京都のまちなみに相応しい住宅モデルとして、低層の木造テラスハウス形式 (現代の集合町家) を提案する。
この低層テラスハウスを都心部で実現する仕組みとして、定期借地権を採用する。これは定期借地とすることで、土地に建物(床)を詰め込む必要がなくなり、地価の高い都心部でも低層住宅が実現しやすくなるためである。また、定期借地による土地活用で「従前の緑を残したい」などの地主意向にも応えることができる。
◇長期に渡り住宅を良好に受け継ぐ仕組み─「スケルトン定借」の利用─
スケルトン定借は、スケルトン・インフィル (SI) 方式の建物と、建物譲渡特約付き定期借地権を組み合わせて採用する。これによって、長期耐用性と可変性 (時代にあったニーズ対応性) を両立する。
30〜35年は持家 (土地は借地) であるが、30〜35年後の建物譲渡特約の行使により建物は地主に引き継がれる。土地と建物の所有を一元化することで、安定的な建物の維持管理へ繋げる。
建物譲渡特約の存在により、区分所有者に維持管理のインセンティブを付与する。建物の維持管理状態が30〜35年後の買取価格に影響するためである。
◇テラスハウス形式による維持管理性の向上─持続可能性を備えた現代の集合町家の実現─
町家は連続建てのようにみえるが、個々に独立した構造である。まちなみの連続性と個々の独立性 (維持管理、更新の容易性を確保) を兼ね備えている。
本提案のテラスハウス形式では、戸境壁の二重 (ダブルウォール) 化により、構造的独立性が保たれるので、区分所有建物でありながら、個別の維持管理や構造部材のやりかえ (更新) も容易となる。
◇京都宇多野コーポラティブハウスの概要
〈京都方式 (木造テラスハウス×スケルトン定借) の採用〉
- 京都の都心部に低層の集合町家 (現代版町家) を実現
- 従前の地形を活かした分棟化
- 既存樹木をできるだけ活かした計画
- 伝統的デザインコードの導入
- 低層接地型で分棟化 (建物ボリュームを抑えた計画)
- 分譲住戸はダブルウォールで構造的に独立性を担保
- 構造的独立性とSI方式を活かした維持管理、更新計画 (管理規約等での位置づけを検討)
- 賃貸住戸は将来の2戸1化を想定した非構造壁 (戸境壁)
- 同じ目標 (京都のまちに相応しい住宅の実現、まちなみ景観の維持) を持った人の集まり
- 入居前からのコミュニティ形成-維持管理、合意形成、セキュリティにも大きく寄与
- 地主を介した地元コミュニティへの溶け込み、融和
- 地主とともにまちなみ景観の継承努力
●今後の予定について
京都は1200年以上に渡り、都市であり続けてきた。京都のまちは1200年以上もの間、持続可能性を保ち続けてきた都市構造の到達点を表しているといえる。近年の分譲マンションの増加は、従前のまちなみとは異なる中高層化に対する地域住民の反発を生むだけでなく、持続可能性に課題を持つ分譲マンションが、将来老朽化に伴い都市の活力を失わせる原因になりかねない問題が指摘されている。
京都方式は、京都に蓄積されてきた知恵を活かし、我が国独自の持続可能性を持った集合住宅の実現を目指している。京都に相応しい、まちなみ継承に寄与する住宅モデルと、それを実現・維持していくシステムを提案、普及させていきたい。
京都方式は、京都に蓄積されてきた知恵を活かし、我が国独自の持続可能性を持った集合住宅の実現を目指している。京都に相応しい、まちなみ継承に寄与する住宅モデルと、それを実現・維持していくシステムを提案、普及させていきたい。