平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
300年住宅プロジェクト A,B,C,D
300年住宅コンソーシアム
(代表:株式会社 福永博建築研究所)
(代表:株式会社 福永博建築研究所)
〒810-0042
福岡市中央区赤坂2-4-5
福岡市中央区赤坂2-4-5
●基本コンセプトについて
『300年住宅』の発案者であり、コンソーシアムの代表である福永博建築研究所は、1995年に「300年住宅」という本を日経BP出版センターより発行している。そこでは、長命化のために取り組むべきテーマやそれまで実践してきた内容を記載・報告している。開発初期は、主にコストをセーブしながら付加価値を高める技術 (VACS / バックス工法) が中心だった。また、300年住宅を実現する為には、「技術開発」と「マネジメント」の2つの軸が必要である。そして、(1) メンテナンスフリーのフレームをつくる (2) 配管をプライベートから分離する (3) 住空間の自由性を確保する (4) 組織 (耐久型マンションの新しい供給チャンネルと市場) (5) 経済性 (新しい資産価値の確立)、という5つの点を変更する必要があると提案した。今回の共同住宅部門のシステム提案では、『300年住宅』の出版後、様々な技術を実践・検証し、研究開発を進めてきた成果を含め、前回の5つの変更点を補う方法を取っている。
■スケルトンの三大目標
スケルトン部分を300年という長期にわたって保全するための三大目標として、(1) 50年目の総改修、(2) 積立金内での改修、(3) 100年間使える材料 (レンガやアルミ等) の使用、を掲げている。
(1) では20年程度でメンテナンスが必要になる部位を50年まで延期できる技術開発を行い50年間は足場を架けないようにした。節目となる50年目には「パブリック設備」(配管・配線) と更新が必要な殆どの部品を交換する計画としており、その為に必要な保全・更新技術を提案している。
(2) はマネジメントの概念で、長期保全のためには定期的な改修が必要だが、修繕積立金以内でメンテを行うという計画を先に決めて、それに応える技術を使った建物をつくるというアプローチ手法である。
■インフィルの五大目標
インフィルについては、自由性がテーマである。100年以上の時間の中では、所有者の生活形態の変化や世代交代、所有者自身の交代など様々な場面が考えられる。そのような変化に建物が対応できるかが、テーマとなり、次の5つのステップを想定して、それに対応できる技術的な仕組みを実現することを目標とした。
〈今まで目標としてきた項目〉
(1) 自由な間取りを創る上で、障害となるモノがないこと。
(2) 間取りを変更に伴い、設備も一緒に追従できること。
〈これから目標とする項目〉
(3) 間取りはそのままで、インフィルの設備・配管・配線を総て取替ができること。
(4) バルコニー側のサッシュや小壁が、間取りに応じて柔軟に可変できること。
(5) 廊下側の玄関位置の変更ができ、併せて窓や壁を変更することができること。
(6) 更新工事や壁やサッシュの変更工事の際に、部材がゴミにならず再利用できること。
100年以上の時間となれば、サッシュや扉なども取り替えることを考慮しなければならない。その際、躯体を壊すことなく工事ができるかも重要である。また住みながらの工事となるため、音や振動などを少なくする配慮も必要だ。尚、上記 (4) と (5) については、確認申請等の関係法規との調整が必要だが、今回は物理的・技術的に工事を行える仕組みとすることを目標とした。
従来と異なる工法でつくられたものについては、どのような構造になっているのか、どのようにすれば解体や再構築できるのかを、“解説書”として表現して、所有者に理解してもらうことも重要である。その一環として、前回より進めた技術開発の成果や今回の提案を中心に、第2弾の書籍『300年住宅のつくりかた』として具体的な解説を行い、出版する。
■スケルトンの三大目標
スケルトン部分を300年という長期にわたって保全するための三大目標として、(1) 50年目の総改修、(2) 積立金内での改修、(3) 100年間使える材料 (レンガやアルミ等) の使用、を掲げている。
(1) では20年程度でメンテナンスが必要になる部位を50年まで延期できる技術開発を行い50年間は足場を架けないようにした。節目となる50年目には「パブリック設備」(配管・配線) と更新が必要な殆どの部品を交換する計画としており、その為に必要な保全・更新技術を提案している。
(2) はマネジメントの概念で、長期保全のためには定期的な改修が必要だが、修繕積立金以内でメンテを行うという計画を先に決めて、それに応える技術を使った建物をつくるというアプローチ手法である。
■インフィルの五大目標
インフィルについては、自由性がテーマである。100年以上の時間の中では、所有者の生活形態の変化や世代交代、所有者自身の交代など様々な場面が考えられる。そのような変化に建物が対応できるかが、テーマとなり、次の5つのステップを想定して、それに対応できる技術的な仕組みを実現することを目標とした。
〈今まで目標としてきた項目〉
(1) 自由な間取りを創る上で、障害となるモノがないこと。
(2) 間取りを変更に伴い、設備も一緒に追従できること。
〈これから目標とする項目〉
(3) 間取りはそのままで、インフィルの設備・配管・配線を総て取替ができること。
(4) バルコニー側のサッシュや小壁が、間取りに応じて柔軟に可変できること。
(5) 廊下側の玄関位置の変更ができ、併せて窓や壁を変更することができること。
(6) 更新工事や壁やサッシュの変更工事の際に、部材がゴミにならず再利用できること。
100年以上の時間となれば、サッシュや扉なども取り替えることを考慮しなければならない。その際、躯体を壊すことなく工事ができるかも重要である。また住みながらの工事となるため、音や振動などを少なくする配慮も必要だ。尚、上記 (4) と (5) については、確認申請等の関係法規との調整が必要だが、今回は物理的・技術的に工事を行える仕組みとすることを目標とした。
従来と異なる工法でつくられたものについては、どのような構造になっているのか、どのようにすれば解体や再構築できるのかを、“解説書”として表現して、所有者に理解してもらうことも重要である。その一環として、前回より進めた技術開発の成果や今回の提案を中心に、第2弾の書籍『300年住宅のつくりかた』として具体的な解説を行い、出版する。
●先導的な提案の内容について
100年以上の時間軸で“自由性・可変性”を考えると、共有部分ではあるが専用して使っている外壁廻りの可変性を実現できる技術が必要になる。例えば、バルコニー側の外壁を全てサッシュで構成するための技術。室外機や設備配管は設備用の複層壁を使って処理を行う。
また、廊下側の壁や廊下などの腰壁。間取りの自由性を高めるには、玄関扉や窓の位置も移動させる必要がある。その為に、廊下側の壁をレンガパネルで構成することで、将来、壁や扉の位置までも変更できるようにしている。
実施例も多く、導入しやすいのは手スリなどのレンガの腰壁だ。汚れが目立ち易い場所だが、レンガであればそれほど目立たない。また、タイルのように剥落する恐れもない。
※提案内容は特許取得済み又は申請中
また、廊下側の壁や廊下などの腰壁。間取りの自由性を高めるには、玄関扉や窓の位置も移動させる必要がある。その為に、廊下側の壁をレンガパネルで構成することで、将来、壁や扉の位置までも変更できるようにしている。
実施例も多く、導入しやすいのは手スリなどのレンガの腰壁だ。汚れが目立ち易い場所だが、レンガであればそれほど目立たない。また、タイルのように剥落する恐れもない。
※提案内容は特許取得済み又は申請中
●今後の予定について
デベロッパーやゼネコンなどより多くの関係者に考え方や技術を理解してもらって、コンソーシアムのメンバーが増え、提案した技術が長命化の建物のデファクトスタンダード (業界標準) となるように広めていきたいと考えている。その為、共有部に設けた外配管や共用配線を「50年毎に簡便に交換できる仕組みを推進する会を」発足し、目標を同じくすることで、長命化の技術の共有と普及を図りたいと考えている。『300年住宅』はどんなつくりかたをするのだろうと興味があり、コンソーシアムや会への参加を希望される方や講演会・説明会などを希望される方は、ホームページよりご連絡を頂きたい。