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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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地球のリズムと暮らす家ILeco (イレコ)

エルクホームズ 株式会社
〒745-0868
山口県周南市南浦山町2-1

●基本コンセプトについて

 長期優良住宅とは、『いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う』という基本理念に加え、地球温暖化、少子高齢化や核家族化の加速など社会の状況変化に対応し、将来必然的に建物が保有しなければならない性能を搭載し、長期にわたり受け継ぎ、住み継がれる住宅であると考えている。
 そこで、長期にわたり住宅を維持させるにはどうすれば良いかを考えてみると、性能や構造を高品質にすることも必要ではあるが、最も注目したことは“長期にわたり愛される”つまりサステナブル (持続可能) の価値がどれだけあるかということである。もちろん、デザインなどもサステナブルの価値に該当すると言えるが、これからの住宅においては、エコロジーや省エネというキーワードが最大の価値だと考えた。

●先導的な提案の内容について

 本提案の「地球のリズムと暮らす家 ILeco」は、資源に頼らず自然に頼る。つまりガスや電気などのエネルギーに頼りきるのではなく、風や日光、植物など、自然の力を積極的に活用することを基本コンセプトとした住宅である。自然と共存することが“地球のリズムと暮らす”という言葉に込められた想いである。
 自然の力は、もともと日本の住宅においても活用されていた。日射について例をあげると、日本には四季があり夏と冬では太陽高度が異なる。その光 (熱量) を、夏は遮断し、冬は取り入れることで冷暖房の負荷に大きく影響をあたえる。軒 (庇) を深くし、落葉樹を植えたりすることで、夏冬の日射をコントロールするといった先人の知恵を活かしつつ、より現代的なデザインにアレンジした。それは、軒 (庇) を深くするのではなく、垂直にたてるという構造である。さらに狭小敷地で落葉樹を植えることが難しいことも考慮し、藤棚も同様に垂直にたてる構造 (トレリス) とし、つる状の植物を育てることで夏冬の日射をコントロールしている。
 この軒 (庇) をたてる考え方から、外壁が二重構造となり、箱の中に箱をつくる、いわゆる入れ子状のデザインを構築した。それがILeco (イレコ) の名前の由来である。更に、イタリア語のIL (イル:英語でいうTheの意) とECO (エコ) を組み合わせた造語の意味もある。
 入れ子状に壁を配置すると、二重構造になった外壁と外壁の間に、室内でも外でもない空間が生じる。この空間をバッファーゾーンと呼ぶ。バッファーとは「衝撃・苦痛などを防ぐ、和らげる」という意味であり、この空間により、日射や熱、音や視線など、外部からのさまざまな影響を巧みにコントロールする効果が期待できる。
 ここまでがソフト面についての基本的な考え方である。続いて建物に求められるハード面 (機能・性能) についての基本的な考え方を述べる。
 
(1) 維持管理性能 (すまい手による点検のしやすさ+維持管理費の軽減)
 『住まい力=財産・資産』を強化し、『誰もが快適に住み続けることが可能な住宅』である為に、簡単なメンテナンスで、項目も少なく、すまい手といっしょに建物を保全していくことを目的とする。また、改修工事の際には、すまい手が居ながらに工事が出来る仕組み (工法) を確立し、合わせて可変性能についても工夫を施した。その際、主要構造部等への負荷を軽減する為に屋根材、外壁材に高耐候性の商品を積極的に採用したり、維持管理や更新の容易性を考えて給水給湯・排水ヘッダー方式などを採用している。
 
(2) 自立循環性能 (伝統的自然生活指向+自然生活指向)
 『地球力=パッシブエネルギー (ILecoの原点)』をより多く活用し、すまい手が自然と共存するための工夫を住宅建築に採用し、足りない力を省エネ基準達成機器 (=アクティブエネルギー) で補いながら、末永く住み継ぎ、受け継がれる住まいを計画・提案している。
 
(3) 間取りの可変性能 (すまい手の変化に対応できる間取り+構造)
 すまい手のニーズに応じて生活スタイルを居ながら変更でき、簡単にもとに戻すことのできる空間づくりと必要最小限の間仕切壁の取外し等で変更できる空間づくりであると考え、耐力壁区画の合理化 (SI構造) を図りマグサレス工法を提案している。加えて、床根太に配線配管用の貫通孔を施すことで、天井を下げることなく水廻り・電気設備等の変更が可能である。
 これらの性能 (ソフト面+ハード面) とは別に、本来の基本性能≪すまい手の生命、健康、財産を守る役割≫の建物の資質については、同等以上のレベルで建物性能を確保し、加えて、CASBEEではSランクの評価を標準とし、付加価値のついた住まいにいつまでも愛着をもって暮らしていけるよう、建物の耐用性、維持保全を満足した『資産価値の高い住まい』を提供・普及・促進することを目指す。

●今後の予定について

 長期優良住宅に関するパンフレット、ホームページ、住宅展示場などで広く情報を公開する。更に、長期優良住宅の優位性を購買者に説明し、補助金対象住宅以外での本モデル仕様を推進・販売していく予定である。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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