平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

　当社では、当社独自の高耐久技術に基づく2×4住宅において「長期高性能維持仕様とサスティナブル設計手法」を提案することで、独自の「ロングサポート50」という50年の長期保証に加え、さらなる長寿命化と省エネ性向上を目指す。
　また、「住宅総合サポート流通システム」では、建物履歴管理とメンテナンスシステムのノウハウ、そして三菱地所グループの組織力を生かしたトータルなサポート提案を行う。そして、これを具現化したモデルハウスを建設し、そこからウェブ等による情報発信や様々なイベントを通して普及啓発活動を実施し、一般ユーザーへの長期優良住宅の認知度を深めていく。

　本提案の主な先導的な提案の内容は次の通りである。
　
長期高性能維持仕様とサスティナブル設計手法
[高耐久2×4住宅仕様]
　鉄筋コンクリート造の劣化対策基準を盛り込んだ基礎仕様、住宅性能評価基準を超える開口部と屋根を含めた住宅外皮の防水仕様、そして初期性能を維持させる防蟻対策システムにより、住宅の主要部位における長期耐久性能向上を確立し、加えて維持させる仕様提案も行う。
　
[長期耐震性維持構造]
　将来的な耐震性能の低減や改修工事を見込んだ構造計画と初期性能確保のための基礎補強措置に加え、居住性をも考慮した構造仕様の提案を行う。
　
[維持管理性向上床下仕様]
　さや管とヘッダー方式による配管システムと鋼製束、平滑な土間、移動キャスターを採用し、床下まわりの維持管理を容易に行うための仕様提案を行う。
　
[可変性向上2×4住宅設計手法]
　改修工事を簡略化する仕様及び配管関係の変更を考慮した2階床木質I型複合梁と基礎部のプレスリーブ方式と、通常必要な耐力壁線上の下り壁が不要となる設計手法により、将来の生活スタイルの変化への対応を容易にする。
　また、「壁性能の見えるプラン」により、住まい手でも構造耐力上重要な壁を区別できるようにする。
　
[省エネパッシブ×ユニバーサル設計手法]
　当社の高い省エネルギー性能を実現する断熱・設備仕様をベースに、自然のエネルギーを利用した「省エネパッシブ設計手法」で、さらに省エネルギー性能を高めながら、なおかつ維持させる提案を行う。また、子供から高齢者まで快適に住み続けられるための配慮として、「温度のバリアフリー化」と常に家族の気配が感じられる「オープン空間」によるユニバーサル住宅を提案する。
　

　
住宅総合サポート流通システム
　住宅を長期に渡って維持してくために、流通促進を含めた住宅総合サポート提案を行う。
　住宅の長期維持に重要な建物履歴情報を『三菱地所ホーム建物履歴管理サーバー』で保存し、これを介して当社と住まい手が共に建物の維持・メンテナンスの履歴を管理していく。
　当社がかかわらないことでもその住宅に関する履歴情報はホームケア受付センターを通して管理し、住まい手が変わった場合も同様に保存される。
　そして、永年の建物診断のノウハウを生かした『ロングサポート体制』と診断・メンテナンス結果が集約された『耐久性診断内容検索システム』を活用し、社内資格を有した建物診断士が建物の経年変化状況を診断しメンテナンスを含めた建物履歴管理記録の保存を行っていく。
　さらに、その管理された情報を基に、総合不動産業である三菱地所のグループ力を生かした売買時の対象住宅への独自査定や買取等、付随してくる各種サービス、保証・建物履歴情報を住まい手が変わった場合でも継承し、住宅の付加価値を高める『三菱地所グループストック住宅流通システム』というワンストップサポート体制を整備し、長期優良住宅の流通促進に努めていく。

　当社では、これまでに住宅の新技術を紹介するセミナーなどのイベントを数多く手掛けてきた。そのノウハウを生かし、「長期優良住宅」の普及に寄与する取り組みを行う。
　具体的には、モデル事業対象住宅における建築中の構造見学会や、竣工後のホームパーティ等の住まい手と協力した催し物などを実施、モデル事業対象住宅の住まい手と学識経験者を招いてのパネルディスカッションを開催する。
　また、本提案内容の技術を取り入れたモデルハウスを東京都港区に建設し、その建設プロセスや検査状況をホームページ等に掲載して細部にわたる実際の技術的提案を2×4工法の長期優良住宅の実質的マニュアルとして情報発信していく。
　さらには、本提案によりまとめられた設計基準や仕様に基づいた資材や製品を、「三菱地所グループ」や「設備機器関連会社」で一般向けに販売し、「三菱地所ホーム」はそれにかかわる住宅仕様や設計基準などのノウハウを提供する技術支援を行う。