平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

　将来にわたって良好な住宅地を形成し続け、超長期に住み継がれる住宅となるためには、建物のハード面におけるスペックの向上だけでなく、多くの住まい手が街及び住宅に愛着を持つというソフト面の仕掛けづくりが必要となってくる。
　建築した住宅が壊されずに住み継がれていくためには、その住まい手にとって思い入れの持てる素材を採用したり、住まいづくりのプロセスに積極的に参加するなど、心理的価値へとつながる「住まいへの愛着」が醸成される仕掛けが有効であると考え、そのプログラムを提案する。

　「住まいの愛着モデル」の提案は、「住まいの愛着醸成プログラム」と、それを支える「ストック価値維持の仕組み」「性能パッケージ」により構成する。
　
(1)「住まいの愛着醸成プログラム」
　長期優良住宅となるための住宅のハード要素 (スペック) をベースとしながら、さらに住まい手にとっての「愛着醸成」というソフト要素を組み込むことにより、住まい手の心理的な価値意識に働きかけ、住み継ぎ時の魅力、ストック価値へとつなげ、長期に住み継がれる住宅となることを目指す。

• プログラムの構成
  　プログラムには、住まいを取得する前の住まいづくり段階に始まり、入居、そして住み続けていく期間を通して愛着が湧出・醸成されていく時間的構成を組み込む。
  
  
• プログラムメニュー
  　次の3つのカテゴリーのプログラムに中で、「住み始め」「住み続け」「住み継ぐ」の3つの愛着要素を体験・獲得する。

(2)「ストック価値維持の仕組み」
　ストック価値維持の仕組みとして、新築入居時から「住み続けの愛着」をサポートする体制を確立している。長期保証制度とともに、将来の「住み継ぎ愛着」のための買い取り再生システム「エバーループ」も整備している。
　
(3)「性能パッケージ」
　長期優良住宅にふさわしい次の技術をパッケージとして採用する。

• 地震の揺れをしなやかに吸収する「地震に強い構造」。
  
  
• CO2排出量の削減に貢献する「環境にやさしい省エネ技術」。
  
  
• 家族数やライフスタイルに合わせて間仕切りを選択できる「空間の可変性」。
  
  
• 防汚力の高い高耐久外壁を採用した「まちなみ美観の維持」。

　本モデル事業においては、長期優良住宅認定制度の積極的な活用推進だけでなく、ソフト面での仕掛けを中心とした愛着醸成プログラムを付加価値として提案することにより、より効果的に長期優良住宅の普及へ寄与すると考える。
　本モデルにおいては、分譲住宅と請負住宅の両方について実施する事により、幅広いお客様に長期優良住宅に対する関心を持っていただくことを意図している。販売地域に関しても、国民に広く公開・普及するという観点から、偏りのない地域バランスを考慮する。
　モデル棟公開については、当社ウェブサイト等を中心に当該事業・物件概要・公開場所・公開期間スケジュールを告知する。各モデルの公開は「施工中」と「竣工後」のいずれかに必ず行うものとする。施工中の公開は、特に構法や構造システムを見ることができる段階を中心に行い、竣工後の公開では、可変空間システムによる間取り変更等の体験を実施する。