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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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谷川建設木材循環型長期優良住宅モデル

株式会社 谷川建設
〒852-8115
長崎県長崎市岡町9-1

●基本コンセプトについて

 長期にわたって使用可能な質の高い住宅を提供するという事は、豊かな住生活を実現させると共に、資源の有効活用と低炭素社会の実現のために貢献できる住宅を提供するという事である。そのためには、耐久性の高い無垢の国産材を使い、植林を行い、残材・端材の有効利用を行う事で、循環型木材として活用する必要がある。さらには、耐久性・耐震性を向上させたメンテナンスしやすい住宅とすること、また、居住者のライフスタイルの変化に柔軟に対応でき、自立循環型住宅の考え方を導入した設計手法を用いる住宅として提供する事も大切である。そして、専用の家暦書を整備し長期的に住宅をサポートしていくことでその住宅の資産価値を上げる事ができ、中古住宅市場の活性化を促進する事になる。

●先導的な提案の内容について

■木材循環型住宅
 森林で吸収したCO2を出来るだけ固定化した状態で使用するため無垢の木材を用い、さらに使用した構造部材と同本数の苗木を植林する事でその森林があらたにCO2を吸収し、環境に良いサイクルを生み出す。また、居住者にCO2削減証明書を発行するしくみをつくる。製材時に出る残材・端材の有効利用を行うため、障害者施設へ無償提供し、そこで加工された製品を当社で買い取る。また、断面寸法が大きいものは建築資材として再利用するために再度、谷川商事で製材し建築現場へ搬入する。その他に谷川商事の製材時に出る残材・端材を木材チップにし、TGF農園 (当社関連、農業生産法人) へ持ち込み農産物の冷害対策用として活用。また、製材時に出るノコ屑やカンナ屑・背板の皮部分等は家畜の敷藁として利用され、その後農家の堆肥として活用。さらに残りの廃棄対象部分を乾燥釜の燃料として利用する。
 
■耐久性の向上
 強度が高く、かぶり厚の大きな断面の基礎を用いることで、クラックの出にくい耐久性の高い基礎とすることができる。
 国産材を使用することで、CO2排出量を抑えた住宅として提供でき、柱は強度・耐久性に優れた芯持ち檜120×120を用い、土台はめり込み強度と防腐・防蟻性に優れた芯持ち檜135×135を用いる。1階根太は、強度と粘りのある芯持ちタイコ根太を用いることで、長期的な使用にも十分安全に対応できる。他1階軸組部分も全て断面の大きな国産檜を用い、他2階床組・小屋組部分に断面の大きな杉を用いる。45×120の骨太断面筋違いの強度を生かすため、接合部を補強。また、全ての柱頭・柱脚部へ金物を設置。小屋組部分の水平剛性を上げるため、火打ち上部へガセットプレートを装着する。
 経年変化による木材の乾燥収縮に対応するため、ナット自動増締ボルトを使用。本提案住宅においては、全て安全性を十分に確保した部材構成である事を構造計算により確認する。
 
■維持管理の向上
 床下点検を容易にするため、床下空間を大引き下端より650mm確保。また、鋼製束を使用する事で根ガラミが無く空間も広く確保できるため、床下の点検がスムーズにできる。長期的居住による間取り変更に影響されず、スムーズに点検出来るように1階水廻り部分を中心に、可動間仕切りが干渉しない位置に点検口を設ける。
 
■可変プラン
 居住者のライフサイクルの変化に対応するプランとして、間仕切りを容易に変更できるプランとする事で、長期にわたり良質な居住空間を提供する事ができる。プロトタイプとして、外周部とコア部分(水廻り・階段部分・2階寝室)を固定化した空間とし、内部間仕切りを自由に移動できる部分を可変空間として提案。
 
■パッシブ省エネ手法
 自然の光と風を利用した快適な室内環境を提供する。気候風土や立地条件及び住まい方に応じて自然エネルギーを有効に活用した省エネ住宅を実現させる事で、長期にわたり快適な空間とCO2削減に貢献できる住宅を提供できる。
 
■長期メンテナンスシステム
 定期的に保守・点検をおこなうために当社専用長期メンテナンスシステムを適用。さらに、居住者が代わった場合にスムーズにバトンタッチできるように専用家暦書を準備し、これらを自社サーバーにより一元管理する。
 
■国産材の積極的活用
 現在当社では、部分的に外材を使用しているが、今後本事業を展開するにあたって国産材の比率を高めていく。
 
■設計提案のレベルアップ
 当社は、自由設計の注文住宅であり、お客様の要望・家族構成・周辺環境を盛り込んだプランニングにて満足度の高い家つくりをおこなってきた。今後は、「長期的な居住空間+パッシブ省エネ手法」を取り込んだプランニング提案を強化していく。
 
■長期メンテナンス専属部門の立上げ
 本事業を展開するために、当社専用の長期メンテナンスシステムを構築し、その専属部門を立ち上げ5年及び10年毎の点検と長期延長保証をおこなう。
 
■リフォーム事業の強化
 本事業は、当社独自の長期メンテナンスシステムと家暦書を用い、住宅内容のデーターベースを本社サーバーで一元管理する。その情報を元にリフォーム事業の展開をおこなう。

●今後の予定について

 モデルハウスによる見学会 (構造・完成現場) を計画。ホームページに専用サイトを開設、折り込みチラシにて採択結果・概略を記載し、長期優良住宅の普及を図っていく。今後は、下記の事業の取組み・強化を推進する。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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