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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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200年住宅コンソーシアムによる建築主サポートシステム提案

200年住宅コンソーシアム
(事務局 株式会社 エヌ・シー・エヌ)
〒107-0052
東京都港区赤坂4-8-14 赤坂板東ビル8階

●基本コンセプトについて

●木造住宅の長期利用を促進するためには・・・。
  1. 物理的耐久性・住空間性能を確保すること。
  2. 住宅資産価値維持のための長期保証体制を確立すること。
  3. 景観に配慮し社会的耐久性を確保すること。
  4. 生活様式の変化に対応可能なリフォームを可能にする木質ラーメン構造であること。
  5. 間取り変化に対応出来る設備等にすること。
  6. 100年後もメンテ・リノベーションを可能にする材料と施工技術を確保すること。
  7. 長期に亘り、住宅取得者 (再取得者を含む) の要望に応えることの出来るデータセンターと相談窓口を設置すること。
 以上を前提に、循環型社会形成を目指した200年住宅コンソーシアム提案では、「長期耐用型住宅には、必ずメンテナンス・リフォーム、用途変更を伴うリノベーションが前提」と考えた。過去、伝統構法で利用されていた高い強度の木材 (欅・栗等) が入手困難になったように100年後も同質の木材を潤沢に入手することは保証できない。長期的(100年スパン)にメンテナンス部材又は取替え部材を確保し、性能を維持するためには、作り手である工務店・産地である木材業者・加工業者が維持継続できる仕組みを作らなければならない。さらに、日本の林業において、産地により同一樹種であっても強度や径級が異なる。そこで、産地直送に拘らず、植林による伐採時期を考慮しながら現時点において入手可能である国産材原料をエンジニアードウッドに加工し、高付加価値木材とすることで、安定品質の製品供給を可能にし、産地への確実な利益循環を図る。これにあたっては、植林事業を証明する森林組合発行の合法木材証明書を必須とする。また、品質を裏付けるために材の定期的強度測定行い、なお許容応力度計算を全棟で実施する。
 
<具体的施策>
  • 継続的な作り手の確保:グループ化によるノウハウの継承とサポートセンター設立による窓口の明確化
  • 継続可能な伐採計画:合法木材証明書と森林認証制度による計画的な営林事業の確立と加工乾燥拠点拡充の支援
  • 継続可能な生活空間:生活様式の変化に対応できる空間提案と客観的データの管理
 産地、作り手、生活者への情報提供と啓蒙活動は循環型社会形成の基本要件であり、本事業の継続が無ければ具現化は成し得ないと考える。同一目的を持つ企業群でのコンソーシアムの活動は、作り手の倒産へのリスクも回避され、継続的な循環型社会形成に必要不可欠と考える。

●先導的な提案の内容について

国産材利用および木材履歴確保による循環型社会形成
 国産材の品質・強度は産地によりばらつきが大きいのが実情である。このような国産材を構造躯体に使用するには、寸法等の仕様による管理では、不十分である。材料一本一本の強度を確認し「許容応力度計算」による構造決定が不可欠であると考える。「許容応力度計算」をすることにより材料強度を鑑みた客観的データが得られることになり、例えば100年後のリフォームやメンテナンスにおいても、同質の材料で交換・代替できる体制が整うものと考える。このことを前提として主要構成材は可能な限り国産材を使用する。また、その証明方法は、林野庁の指針による「森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法」に基づくものとし、一部に輸入材を使用する場合は、森林認証制度を活用して木材の適切な使用を行う。この取組みにより新築時に使用した木材の履歴が明確になり、その後のメンテナンス・リフォーム時でも確実に同質の国産材を使用することが可能となる。また、合法木材証明や森林認証の活用を行うことは、産地から適正な植林材が供給されている証であり、木材産業の振興、循環型社会形成への一助である証明と考える。
 今回、コンソーシアムに参加する集成材・合板メーカーは、各地の森林組合とネットワークを形成している。コンソーシアムによる国産材の採用は木造循環型社会形成の大きな一歩となる。巨大な生産量を誇る各メーカーが200年住宅コンソーシアム及び産地とともに、全国の作り手に対して恒常的・安定的な供給体制を構築することは、自ずと、製品を製造するための設備や物流の整備を行なうことになり、大規模な経済循環を生み出す。循環型社会形成が行なわれるための、前提条件である継続的な供給体制が加速度的に整備されることが期待される。

●今後の予定について

 第1回超長期住宅先導的モデル事業に引続き今回も採択され、当社が取組んでいる方向性は間違っていないと確信を深めている。
 今回は、前回の基盤のうえに、生活者に対して木材産地・木材メーカーとともに、住み継ぐ家の供給をおこなっていく試みである。そして、小規模で一過性の試験的な試みではなく、これを起爆剤として、真の循環型社会形成をおこなうものであることを強調しておきたい。採択事業の確実な遂行をおこない、永続的に循環型社会形成をおこなう一歩としたい。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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