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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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ぎふ美濃の家 木の国プロジェクト

丸平建設 株式会社
〒501-0501
岐阜県揖斐郡大野町稲富2538-8

●基本コンセプトについて

 「ぎふ美濃の家 木の国プロジェクト」は、住まい手が実際に使用する材の生産地や製造過程に直接足を運び、直に体感することで地域の自然環境や地域材の活用に対する関心を深めてもらう取り組みや、密接な地場林業家との関係を活かした地元産材活用、林業だけでなく農業も含めた地域での交流など、地域振興に対する様々な取り組みを整理し、地元産材の家づくり・家守りと地域振興・人材育成のネットワークとして整備した。
 岐阜県美濃地方で地元材木商、建設会社として100年の歴史を持つ丸平建設が、これまでに取り組んできた地元産材を活かした家づくりの造り手および守り手としての活動をそのまま本提案にあたり取りまとめ、整理しなおしたものがこれからの家づくりの先導的モデルとして認められた。

●先導的な提案の内容について

(1) 地元産材の家づくり・家守りネットワーク
 地域循環型の家づくりネットワークは、適切な管理の下での地元産材の伐採・地元産材による家づくり・端材に至るまでの有効活用・住まい手の意識向上の5点を目的として、林業家から住宅への流れと共に自治体、金融機関まで含めた幅広いネットワーク体制を構築している。
 
(2) 人材育成・地域振興のネットワーク
 地域の家づくり・家守りの未来の担い手である地元高等専門学校生、短大生との交流を通じた人材交流のネットワークを構築。これにより、地域循環型社会形成のため、林業研修や農業研修を通じた次世代の人材育成を図ると共に技術・技能の伝承を行う。
 そして、地元産材が木炭や木工工作キットとなって地元農家や地元産品の販売に活かされ、循環型社会を形成する。
 森林見学や地域の農業体験を通じて、地元の森林や自然への関心を高め、住まい手とつくり手が一体となって住まいづくりを通じた地域循環型社会形成への寄与を促進する。
 
住宅の提案の具体的内容
 「まるへいの家」が長期優良住宅とするため具体的に実施することは以下のことである。
 構造躯体の耐久性に関しては、全ての構造部材において、耐久性に優れた樹種を使用し、薬剤による防腐処理に頼らない優れた構造躯体を可能とする。
 構造部材すべてに含水率管理およびヤング係数管理を行い、耐久性の高い材料で構造部材を構成する。構造材の加工前には、住まい手が自分たちの住まいに使われる構造材を実際にその目で見て、触れて体感する「材料の確認」イベントを全棟において行い、住まいづくりへの参画意識の向上につなげる。
 構造躯体の耐久性の向上のために「外断熱二重通気工法」を採用する。これにより、壁体内の構造材が外気に曝露され、耐久性の向上を図ることが可能となる。
 また、基礎部分には薬剤を使用しない「ターミメッシュフォームシステム (基礎外断熱メッシュ防蟻工法)」を採用。シロアリの侵入を防ぎ、分泌物などにも強いステンレスメッシュを、基礎外断熱部および進入の可能性のある部分に隙間なく敷設することで、シロアリの地中からの侵入を物理的に阻止する。この工法は薬剤をまったく使わないため、シックハウスの心配がなく、環境に優しい劣化対策を可能とする。
 地元で育った木材を地元で活用する「地材地消」の取り組みも重要な要素。木の持つ素材本来の性質を一本一本見極めて適材適所に活かし、無駄なく活用し、木材は天地、木表、木裏、木材のむくり方向などを一つ一つ見極めた上、木の特性を活かしたプレカットを行う。熟練した職人による木材の見極めなどの技能を若年社員へと伝承していく取り組みも継続する。
 住宅の耐震性に関しては、安全な住まいを提供するため全棟で構造計算書を作成し、耐震等級2を確保する。構造計算書をプレカット図に連動し、構造計算とプレカット躯体との一貫性を確保する。
 維持管理の容易性を確保するため、基礎高を通常より高くし床下を有効で600ミリ程度確保する。さらに、床下空間への点検用のステップを設置したり、天井点検口を設置する。また設備配管は、点検や経年劣化による配管の入れ替え、メンテナンス性、将来的に間取りの変更に伴う水廻りの変更が可能である架橋ポリエチレン管による「さや管ヘッダー工法」を採用する。

●今後の予定について

 長期優良住宅は「建てたら終わり」ではなく、「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」ことが大切である。その意味で私たちは、地域の「家づくり」と「家守り」の担い手として、今後も人材育成や住まい手との情報交流を通じて、長期にわたり安心してお住まいいただくためのお手伝いをしていきたいと考えている。
 長期優良住宅先導的モデル仕様のモデルハウスや材の産地とその製材・加工工場ならびに現場見学会を通じ、本事業の意義と地域材を活用した住まいづくりそして、丸平建設が大切にしている「家守り」の必要性を住まい手に理解してもらう活動を今後も大切に継続していきたい。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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