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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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国産低密度木材の金物フレーム構法を用いた長寿命住宅

昭和住宅 株式会社
〒675-0101
兵庫県加古川市平岡町新在家117

●基本コンセプトについて

 「200年」という長期的な住宅では、5世代・6世代に渡り住み継がれることになる。しかし核家族化が急速に進む現代においては、長期に渡り同家族が同住宅に住むことは考えにくく、売買対象として価値のある住宅か、フロー化出来る住宅か否かにより長寿命住宅の資産価値が決まる。
  • 長く大切に使うという発想の転換
  • 少子高齢化による市場の縮小・ニーズの高度化
  • 大量生産選択型から顧客選択対応型・継続収益型への転換の必要性
  • 国内に広く分布する森林資源の有効活用・廃棄物発生の抑制
 以上から、ライフサイクル適応と性能と維持及び可変性に対応する無駄を省き省力化した住宅を考案した。
 この住宅は、お互いが納得出来るリミットデザインに基づき、無駄を省いた構法・工法・部材及び流通により構成され、お客様の要望に持続的に対応出来る住宅創り (ハード・ソフト) を行うことにより、ライフサイクルに合わせた住宅創り・省力化された住宅創りを可能にする。更に継続的に維持 (ストック化) されることで、省エネルギー対策全般及び循環型システムの構築に大きく貢献出来るものと考える。

●先導的な提案の内容について

(1) 長寿命住宅を維持させるための構法・工法・部材
  • 構造躯体は2層1方向・スパン4m以内を基本寸法として、柱・梁を剛性・耐力に優れた金物と引きボルト接合により半剛接合軸組架構として水平力を負担させた高靭性の金物接合フレームと木造軸組構法の併用により内部の構造壁を大幅に削減し、開放的な空間を確保すると共に、増築・減築に対応出来るようにした。
  • 構造材は兵庫県産低密度木材を中心とした国産材を使用する。
    フレーム柱:5.0〜6.0寸 杉材・JAS構造用集成材E75-F240以上
    フレーム梁:巾120mm・梁成270〜330mm 杉材・JAS構造用集成材E75-F240以上
    土台:桧材・JAS構造用集成材E105-F345以上
    大引・管柱:杉材・JAS構造用集成材 E75-F240以上
  • 接合金物は靭性を持ち、カチオン電着塗装で表面処理を行い耐久性を高めたHSS金物を使用。
 間仕切と床を脱着可能なパネル式とし、家族構成や生活様式の変化に伴う間仕切の変更や収納スペースの増設などが容易に出来るようにした。
 
(2) 維持管理
  • 躯体よりも寿命の短い内装・設備・配管などに対し、維持管理が容易に行える工法・計画による設計と部材の採用により不具合を見える化し、いつでも点検・管理・更新できるようにする。
     そして住まい手と一緒に居住環境作りを行っていくため、住まい手・住宅供給者・流通・生産を直接的に結ぶ住宅に関する基礎的知識の平準化を図り、お互いの共通言語を持ち、住まい手の創造力の導入と共創の基盤づくりを行う。
流通システム (資材調達)・データ保存
  • 兵庫県産材を中心とした国産の杉・桧材を兵庫県木材業協同組合連合会・製材業者・加工業者との連携により情報を共有化し、さらに木材履歴管理により木材の品質管理を統一し、安定した供給をはかる。
  • 木材の品質においては、見える化で品質を持続させていく為、地元のJAS認定工場である製材所で加工し、邸別に出荷証明書を発行・保管することにより品質を保持する。構造材の1本1本に認証製品である証のラベルと印を打つことにより他製品との混合を防ぎ、現場での照合も容易になる。
  • 住宅履歴情報は所有者の変更に関わらず住宅が存続する期間の情報を維持し、専門のデータセンター内にある大型ホストコンピューターを活用し登録・保存する。登録されたデータは顧客・当社・部材生産者が日常的にウェブ媒体により閲覧可能なシステムとする。
(4) 既存住宅の流通促進
  • 幣社が建築した住宅の住まい手が住替えにより当該物件の売却を希望する場合は、地元不動産業者と連携し、建設時からの住宅履歴の定期点検・チェックシート・メンテナンス記録表及びリノベーションを踏まえた上で正しく価格査定を行う。
  • スケルトンとインフィルを徹底して分けて管理することにより、正しく査定することが可能となる。
  • 再販時において物件情報が適正に評価されているかを的確に情報開示していくため、既存住宅性能評価と最長10年の保証を付け、物件情報について開示性・透明性を高める。

●今後の予定について

 兵庫県産材を中心とした国産の杉・桧材は、兵庫県木材業協同組合連合会・製材業者・加工業者との連携はすでに稼動しているが、安定した供給をはかり長期優良住宅を普及させていくために、さらに一層のコストパフォーマンスの高い住宅の提供を実現すべく、ハイブリット製材・集成材の研究・実証を行っている。また、施工性の確保と簡素化を図るために、金物フレームのユニットを出来るだけ汎用化していき、現場での施工の合理化を図ると共に、工期の短縮・コスト削減に努め、長寿命住宅として定着させていく所存である。
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