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平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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『彩樹の家-II』〜地場県産材を用いた長期優良住宅事業〜

株式会社 高砂建設
〒335-0004
埼玉県蕨市中央1-10-2

●基本コンセプトについて

 当社は平成20年第1回採択提案と同様に、地場工務店の特長を生かし、地元である埼玉県産材 (西川材) を活用した地産地消のネットワークと、長寿命化への家づくりネットワークを融合した地域密着型ネットワーク『絆』で住宅の品質を担保する取り組みを実施してきた。
 今回の提案では、これらをさらに拡充し、地域活性化のさらなる進展と共に、『住まい手参画型・地域循環ネットワーク』を構築し、本事業への積極的な参画を促すことによって、住まい手・造り手が地域に根ざす新たな関わり方を提案し実施する。維持保全計画についても従来の保証に基づく点検という枠組みやマニュアルに捉われずに、地場工務店ならではの家守り、引渡し後も住まい手の顔が見える距離を大事にし、住まい手と造り手が家守りを共有する。そのための住まい手による家守りの支援方法を具体化することで、資産価値を目減りさせない新たな維持保全計画を実施する。

●先導的な提案の内容について

 構造躯体の耐久性を確保するために、建物全体を断熱材で包み込み、コンクリート・木材・接合金物・釘等を良質な温熱・湿度環境の中に置くことが重要と考え、次に掲げる技術内容を、設計・施工マニュアル等で標準化し、全棟で実施することで総合的に住宅の耐久性を確保すると共に、住まい手が安全で半永久的な『薬剤を使わない』木造住宅を供給する。
 
(1) 外断熱二重通気工法
 壁体内室内側にも通気層を設け、床下、壁内、天井裏空間を通過させ、換気ファン等によって制御することで空気の滞留を防止し、構造体の曝露性を高め耐久性の向上を図っている。
 
(2) 薬剤に頼らない劣化対策
 土台・柱・間柱・筋交は、県産木材の桧材を採用し、基礎外断熱部の断熱工法として、メッシュ工法または、防蟻性断熱材の利用等、物理的防蟻工法を施すことで、薬剤を使用せずに劣化等級-3を達成。
 
(3) 連続した防水・気密ラインの形成
 屋根・外壁の下地形成の方法によって、連続した防水・気密ラインを形成し、外壁材などの外壁仕上材やコーティングの劣化による防水性低下の可能性を排除。
 
 耐震性の面では、住宅性能表示制度の耐震・耐風等級-2以上を確保。全棟で設計性能評価・建築性能評価を実施する。
 耐力壁・非耐力壁の明確化と耐力壁線区画による大梁・柱伏せ図を作成し、水平構面(床剛性)を確保することで、可変可能な間仕切壁の住空間 (S&I) を実現し、これらをまとめた可変間仕切りノートを作成する。
 地産地消の観点と共に、トレーサビリティを確保するため、埼玉県知事認定の協同組合フォレスト西川から供給されるプレカット材の柱一本一本をグレーティングマシンに通して、強度が印字された品質表示木材を使用する。1棟当たりの構造躯体出荷証明と県産木材認証事業体記号番号の記載を添付し、構造材としての強度・品質を担保する。
 
 住宅の長寿命化を目指すうえで、設備機器や設備配管の適切な維持管理が重要であると捉え、点検室となる床下空間の確保やシステム配管の採用など床下環境の変化を早期に発見・対処できるように、「階段下床下点検室」「ヘッダー方式」「さや管方式」を全棟で採用する。
 S・I (スケルトン・インフィル) 住宅を本格的に導入するため、耐力壁線区画を明確にし、建物のスケルトン化 (柱・梁・床等の構造躯体) を図る。これにより耐力壁以外の壁を取り除くことが可能になり、将来の間取り変更が容易になる。インフィル (住設備) については、電気配線は分電盤設置階以外の階に分岐ユニットを設ける。各階の配線はこの分岐ユニットを経由させると共に、分岐ユニットには予備回路を設け、将来の回路増設等の工事を容易にする。
 CASBEE [戸建] を利用し、全棟格付評価することで省エネルギーや省資源に配慮した建築資産の蓄積と地球環境負荷の削減に寄与する。
 
 維持保全計画の作成等では、本事業に則した住まいを建てた後も快適に持続体感してもらうため、四季に合わせた住まい方を邸別ごとに巡回し、直接住まい手に説明する。住まいの手入れについては、住まい手から問合せがある前に行動する『巡回型・住まいのコンシェルジュ』を整備し実施する。高砂長期継続型保証システムと併せて、世代を超えて住み継いでいく住環境や街並みの形成に寄与していく。
 記録の作成及び保存については、供給する住宅の設計図書と工事履歴書 (東京都都市整備局) 等の記録は、施主に引き渡すと共に当社でも恒久的に保管する。加えて、中立・公正な第三者でも記録保管することで、より確実な記録保存が担保される。

●今後の予定について

 今回のネットワークの試みは、地元工務店のつくる住宅のさらなる品質向上と施工精度改善のみならず、「書類管理」、「所有者へのメンテナンスのありかた」などのノウハウの共有、それが消費者への普及へ大きくつながることとなる。また今後、ネットワークで繋がる工務店が連携して公開する広告等についても消費者にとって大きな話題になることが予想される。
 第一回の採択の結果、工務店のなかで展示場として活用しながら (分譲住宅) の普及・啓蒙活動もしており、今後の継続することで寄与していきたい。
平成21年度 第1回 長期優良住宅先導的モデル事業紹介
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