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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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体感型モデルハウス「時を愉しむ家」

大和ハウス工業 株式会社
〒530-8241
大阪府大阪市北区梅田3-3-5

●基本コンセプトについて

 当事業のコンセプトは、超長期住宅のひとつのあるべき姿として、「時間とうまくつきあっていく住宅」としている。「時間とうまくつきあう」とは、予想しきれない将来の大きな変化に対し柔軟に対応していくだけでなく、その変化を積極的に受け止め、前よりも豊かな暮らしを目指すことであると考えた。家族や暮らしの変化によって家の持つ意味も変わっていき、その都度住宅は進化し、新たな価値が生まれるのではないか。その姿を住宅展示場において具体的、検証的に展示し、一般に公開していくという事業である。
 超長期住宅が「時間とうまくつきあう」ための重要ポイントは以下の3点である。
  1. 変化に対する住まいの進化
    …予測できない大きな住まいの変化にスムーズに対応しつつ更に進化する住宅
  2. 社会とのつながり
    …社会に開かれることで、街に貢献する、存在価値のある住宅
  3. 建物価値の維持
    …しっかりと建ち続けるポテンシャルと“しくみ”を持つ住宅

●先導的な提案の内容について

(1) 居住スペースと展示スペースの分離公開
 実際に改修を行う現実的な広さの居住スペース「フレキシブルゾーン」と、展示や説明などに使う「ライブラリーゾーン」の2つのゾーンで構成され、改修工事中も安全なイベント開催や見学が可能である。
 
「フレキシブルゾーン」家族の居住を想定したスペース
 住宅展示場にありがちな現実的ではない広さではなく、一般の方が実感をもてるリアルな床面積とする。これは大きな住宅においては間取りに余裕があるため、そもそもインフィル変更等の可変性の必要性が薄く、その有効性が実感しにくいためである。
 フレキシブルゾーンは主に、住まい手のライフステージの変化に伴うインフィル (間取り、内装、設備等) 変更の有効性をお客様に実感していただくスペースである。約半年周期で改修と公開を行い、住まいの変化の過程を映像等で記録する。
 
「ライブラリーゾーン」展示やイベントに活用するスペース
 展示や説明、各種イベントの場となるライブラリーゾーンは、フレキシブルゾーンと連続した空間ではあるが、改修等は行わない。専用の入り口と階段を設置しているので、フレキシブルゾーンが工事中でも安全なイベント開催や見学が可能である。
 
(2) 変化に対する進化の実感
 実際の改修を繰り返し行うことにより、時間とうまくつきあい、大きな変化に対して進化していく住宅の生の姿を公開し、住宅の進化を実感できるモデルハウスである。
 変化のテーマは「住み継ぎ」である。家族が代々愛着を持って家を住み継いでいくライフコースを基本とし、お客様が自身の暮らしと重ね合わせて考えることができるよう、比較的オーソドックスな家族構成の変化をベースとする。
 「時間とうまくつきあっていく」ための進化とは、変化に対し柔軟に対応するだけではなく、その変化を積極的に活用し、前よりも豊かな暮らしを目指すことである。そのため、オーソドックスな変化に対して、よりドラスティックな住まい方の進化を提示する。およそ半年に1回のペースで計4回フレキシブルゾーンの改修を行い、改修の際には、改修前と後、改修の内容を図面や映像として記録し、その後、ライブラリーゾーンにて展示、公開する。
 また、点検やメンテナンスの実演を通して、お客様にその重要性を実感してもらえる住宅展示場とする。
 
(3) 検証実施と結果の公開
 改修、メンテナンスに際し、「可変性」「居住性」「点検技術」に関するさまざまな検証を行い、その過程や結果についてライブラリーにて展示公開することで、超長期にわたる維持管理のための技術やしくみの有効性や今後の課題を浮き彫りにし、お客様の納得度向上を図る。
 
〈維持管理の技術(例)〉
・パーティションフリー工法 (間仕切り壁、内装材の更新等)
・住宅履歴システム (WEBを使った住宅の各種情報、セルフメンテナンス情報等)
・住宅床下点検ロボット

●今後の予定について

 住宅展示場での提案採択は非常に狭き門という認識だったが、当社の考え方に先導性を認めてもらえ、光栄であると同時に責任を感じている。
 従来の展示場との大きな違いは2点。ひとつは、長期間建物が存在することによって、建物に生じる変化を「時間を圧縮し実際に変化させる」ことで、よりわかりやすく超長期の住宅のありかたを訴求することが可能になること。
 もうひとつは、超長期住宅を普及するためには、住まい手の「長く大切に使う」意識の向上が不可欠であることを啓蒙する場として活用することである。
 当展示場においては、上記の点を来場者に対ししっかり訴求できるよう、セルフメンテナンスのイベントや将来を見据えた設計提案などの積極的なアプローチをしていきたい。
第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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