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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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社会資産型低層アパート推進技術

積水ハウス 株式会社
〒531-0076
大阪府大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビルタワーイースト

●基本コンセプトについて

 これからの低層アパートでは、社会資産性に配慮し、長期的な時代のニーズに適応させ、居住者にとっての魅力と所有者の資産価値を持続させることが必要とされる。そこで、低層アパートの長期優良化を目指し、社会環境の変化に対応するメンテナンス・更新が容易な技術について、ソフト・ハード両面から「社会資産型低層アパート推進技術」の検証を提案する。

●先導的な提案の内容について

 低層アパートの長期優良化を実現するためには長期修繕計画が必要不可欠となる。
 本提案では、長期修繕計画を基に、個々のニーズに対応した住戸内のレイアウト・設備等の変更や交換に対応する「設備更新・リノベーションシステム」と、外壁部材の変更を容易に変更できる「外装独立システムによる更新性向上技術」の2つの技術について検証を行う。
 
■社会資産型アパート維持管理計画による長寿命化
 長期修繕計画を作成するために、「居ながら改修」可能なレベル I、外部附帯・内装仕上げ・住設機器などの更新と外観意匠性の維持をはかる魅力増強工事など「住みながら改修」可能なレベル II、屋根や外壁の交換から間取りの変更など入居者退去での工事が望ましい「大規模改修」のレベル IIIと、大きく3つに分類し効果的に計画する。
 
プラン変更・リノベーションシステムのイメージ
外装独立システムのイメージ
■長期優良化に向けた技術提案
 今後のアパートに必要な技術の検証の場として、当社関東工場敷地内にある長期優良化研究モデル試作棟(軽量鉄骨造2階建て・共同住宅)にて、リファイン・リノベーション工事を実際に行い、施工性、可変性の評価を行う。
  1. 設備更新・リノベーションシステムの提案
     長期優良化、居住者ニーズ高度化に対応した社会資産型アパート開発に向けては、時代に適応させ居住者に対して魅力を高めることが重要である。アパート等の短期賃貸であっても、これからは住まい手の生活に合わせた室内居住環境が要求される。
     本提案では、住戸内のレイアウト変更や設備機器・配管の交換等を容易にするため、ファンクションゾーンや二重床システムなどを提案し、その施工性、可変性、維持管理について検証を行う。
     長期修繕計画に従い、内装や設備の改修、メンテナンスを居住者ニーズに合わせたレベルに分類し、レベル I 〜 III それぞれについて改修を行い検証をする。レベル I は、居住者の使い勝手に合わせた家具の変更、レベル II は入居時に行う新しい設備への交換や移動、レベル III は、大規模改修や間取り変更とする。

  2. 外装独立システムによる更新性向上技術の提案
     アパートの価値は、街並みや環境景観に配慮し、居住者に住みたいと思われることが重要と考え、経年美化の外観が構成されるシステムを提案する。
     本提案では、外廊下、バルコニー等を独立構成した「外装独立システム」を採用し、外装部材の更新性を向上させ、耐用年数(交換のタイミング)の異なる外装部材の更新や、住戸プランの変更に伴った開口部の交換を想定し、施工性、可変性、デザイン性を検証する。改修工事の実施が、居住者が住みながらでも対応可能であることが、維持管理を促進できると考える。
     長期修繕計画に従い、レベル II 〜 III の外装改修工事を実施し、外装独立システムの構成や工事課題を確認し、その施工性やコスト、廃材量等について、従来の同工事と比較検証し、提案システムの可変性・更新性を評価する。また、改修工事前後で性能測定し、「省エネ性」、「快適性」等の居住性能について比較検証する。
■長期優良化に向けた住宅履歴項目の抽出
 長期優良化に向けた技術提案の実施においては、その後の維持管理・運営に配慮した情報の蓄積が必要となる。提案技術の検証を通じ、住宅履歴情報として必要な内容を選別し、実施に向けての提案とする。
 
■社会資産型アパートの可能性調査
 検証により得られた知見と、それを反映した社会資産型アパートとしての長期修繕計画、運用シミュレーションを基に、アパートとしての超長期対応の考え方について、アパート所有者層及び居住者層に対して意見調査を行い、社会資産型アパートの実現可能性について確認する。

●今後の予定について

 本提案で低層アパートでのメンテナンス性や更新性に関する技術検証を行い、その検証結果を今後の低層アパート建築に際して一般に汎用されるための基礎資料として、アパート市場に反映させる。さらに、この成果、実現可能性を住宅設備や建材メーカー等建設業界および不動産業界各社に広く示すことにより、新しいビジネスモデルの基盤構築が図れる。
 検証実験終了後には、関連する方面の関係者や有識者等、及び一般見学希望者に対し、現地公開を計画し、普及に努める。
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