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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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住まいるBANK (構造性能安心管理システム)

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6 十全ビル7F

●基本コンセプトについて

 「新築のみならず、5,000万戸を超える中古住宅の情報蓄積が正確にできるシステムを目指す。中古の場合、住宅設備等の情報も必要だが、最も優先順位が高いのは「構造性能」の現状把握と改修履歴情報である。しかし、度重なる改修や経年・劣化等により新築時の状況とは大きく変わっており、現状の正確な把握の機会が無い。リフォーム時に耐震診断を確実に行うことで、現地調査情報と耐震診断結果を住宅の現状把握をする機会として最大限活かす。また同時に、住宅性能表示制度の建設住宅性能評価 (既存住宅・現況調査) の中の特定劣化事象に該当する項目の調査を追加し、より正確な現況確認を目指す。中古住宅の情報蓄積において懸念されるのが、「情報の信頼性」である。特に構造に関することについては注意が必要である。本システムでは第三者確認として、組合事務局の建築士が本システム上で情報確認し、耐震改修設計内容チェック、写真情報による工事監理により、信頼性の高い情報の蓄積を目指す。

●先導的な提案の内容について

1. 本システムの先導性・モデル性の高い点
  1. 登録情報の第三者チェック
     中古住宅の情報蓄積において問題となるのが蓄積される情報の正確性。本システムでは建物を判断する上において特に重要な「構造性能」「劣化状況把握」について、WEB上で第三者チェックできる仕組みを作る。耐震改修設計の妥当性と工事監理について、木耐協事務局の建築士が確認を取り、組合員の工事を保証していく。
  2. 情報の蓄積を建築士事務所に所属する建築士に限定
     情報の登録には建築士、調査担当には耐震技術認定者 (組合内部の認定事業) があたり、蓄積情報の責任の所在を明確にして、正確な情報蓄積を目指す。情報登録者が誰であるのかまで、確認できる仕組みを作る。
  3. 耐震+劣化診断で構造確認
     耐震診断と特定劣化事象の確認を中古住宅の現況確認の機会として捉え、情報の蓄積を行っていく。(特に床下や屋根裏等の普段目に見えない箇所の情報は貴重なものとなる)
  4. 情報の一元管理
     住宅改修履歴の蓄積は、アプリケーションサービスプロバイダとしてWEB上のアプリケーション運用とする。消費者・事業者・組合事務局に点在していた家屋の情報が一元管理できるようになる。
  5. 情報登録の簡素化
     工事業者の中には、デジタルカメラ等の利用が不得手な組合員 (事業者) も多いので、簡単に映像資料が登録できる手段を確立する。また紙情報についてもスキャナーで取り込むことができるが、FAXで送信するとそのファイルをPCで受信し、アプリケーション上に自動的に取り込める様に工夫する。もしくは、組合事務局 (第三者) による登録代行なども検討する。
  6. 消費者と建築士を結ぶホットライン
     情報登録を行った建築士 (建築士事務所) と消費者の接点 (ホットライン等) を設け、住宅に関する相談をいつでもできる町の住宅の主治医としての機能をもたせる。
2. システム活用から派生するサービス等
  1. より信頼性の高い耐震改修設計が可能になる
  2. 自社内の知識や技術レベルの向上と均質化が図れる
  3. 下請け事業者に工事を依頼した場合も、工事監理が容易かつ正確になる
  4. 情報が一元管理され、煩雑さがなくなる
  5. 第三者のチェックが入っていることが、消費者に対する信用補完に繋がる
  6. 完成保証やエスクローなど、消費者に対するサービスメニューの拡充が図れる
3. 本システム利用で生まれる新たなサービス等
  1. 1,200社の組合員と共に本システムを運用することで、当組合員の信用補完にも繋がり、消費者から選択してもらいやすい環境を作ることが可能になる。
  2. 工事監理のシステムにおいては、映像として蓄積すべき箇所をシステムで指示するため、システムに沿って手続きを進めることで、適切な調査・診断・設計・工事監理などが可能になり、組合員 (事業者) の知識・技術力の向上と均質化が図れる。
  3. 正確な情報が蓄積されることで、組合事務局 (第三者) が組合員 (事業者) の行う工事の完成保証や、消費者に対するエスクローサービス等を提供することが可能になる。
  4. 万が一、担当組合員 (事業者) が倒産などで工事後のフォローアップができなくなった場合、他の組合員に引き継ぐことが可能になる。
  5. 組合員 (事業者) や消費者に定期点検のお知らせなどを自動発信することが可能になる。

●今後の予定について

 正確な情報蓄積も重要だが、その情報の存在が「住宅の資産価値が向上、もしくは維持」に繋がる仕組みづくりが最も重要である。当面は、組合員の工事内容の担保や、担当の引継ぎ等、組合内部で解決できるサービスを付加していくが、今後は金融機関や不動産流通団体、また、住み替えが発生する可能性の高い介護事業者などとの連携を深め、より住宅の流通が活性化する仕組みづくりを検討している。
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