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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

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信州エコハウスシステム超長期住宅モデル

北信商建 株式会社
〒389-1201
長野県上水内郡飯綱町芋川1540

●基本コンセプトについて

 「良い住宅をつくって手入れして長く使う」というストック社会の形成は、限られた資源を有効に使うことによる地球環境への配慮、サステナブル社会の構築を目指した取組みと言える。
 地域に根ざした地場工務店が積極的に県産材や信州リサイクル製品を活用することで、資源の循環的な利用を促進し、地域市場の活性化と共に、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現を目指すことができると考え、ホクシンハウス (北信商建株式会社) と県内の製造業者、施工業者が一体となって取り組んできた。「信州エコハウスシステム超長期住宅」は、家中温度差が無く暖かく快適な室内環境に保つホクシンハウスオリジナルの「FB工法」をベースに耐震性・耐久性・維持管理の容易性を強化。維持管理や点検・履歴蓄積等のソフト面も総合的に提案を行っている。

●先導的な提案の内容について

(1) 県産資材を活用し、超長期に渡る性能の向上を実現
 県産材や信州リサイクル製品 (県内で発生した循環資源を利用し、県内の事業所で製造されたリサイクル製品) の長所を活かし、適材適所で採用することで、耐震性・耐久性を高め、省エネルギーでかつ室内空気環境にまで配慮した。
 外周部の1F耐力壁には防腐防蟻に優れており耐久性の高い木毛セメント板 (県産材をリサイクル)、2F耐力壁には信州唐松合板を採用。建物外周部へ耐力壁を集約し、将来への変化に対応できるように配慮。また桁上に信州唐松合板を貼り、その上に古新聞をリサイクルした断熱材を吹き込む工法とし、床剛性を高め、耐震等級3を確保する設計とした。さらに、土台は耐久性の高い信州遠山ヒノキ、構造材は優れた強度を持つ信州唐松とし、野地板や床下地材にも信州唐松合板を採用した。
 
(2) 四季を通して快適な「FB工法」をベースに性能を強化
 「FB工法」とは、基礎断熱された床下空間で暖房し、暖められた新鮮空気が壁体内を循環して、室内の換気を行うと共に、床・壁・天井を均一に暖めて家中を快適な環境にするオリジナルの工法で昭和63年に開発。快適住宅に欠かせない「断熱・気密・換気・暖房」の四つの要素をすべて網羅した工法として、1000棟以上の住宅を手掛けてきた。この「FB工法」をベースに超長期に渡る住宅の性能向上を図っている。
 維持管理の容易性については、高さのある床下空間を確保し、「さや管ヘッダー工法」を採用。基礎貫通部には専用のスリーブと可とう管を用い、設備配管等の点検や維持管理を容易にした。また内部通気層を電気配線のスペースとすることで、気密断熱層を傷めることなく、容易に電気配線の増設や移設を可能としている。床下に設置する暖房機はエネルギー源や機種を問わず選択でき、特殊な工事を必要としない為、躯体に影響を及ぼすことなく安価に取替えが可能となっている。
 省エネ対策として、次世代省エネ基準を最低基準とした3つの断熱仕様プランを見積り時に提示。予め性能を上げたことによるコストアップと冷暖房費の差を明示し、予算に応じて簡単に高性能な住宅を選択しやすいシステムを提案。また全棟で気密測定を実施し、C値を1.0cm²/m²以下としている。
 
(3) 維持管理等のソフト面の充実
 建物の維持管理に係る費用について、予め把握し、準備を進められるように、40年間のメンテナンススケジュールを提示。10年毎の定期点検の際に、その時代にあった材料や価格を検討し、スケジュール表を更新していく。また定期的な点検の他に災害時の緊急時点検を行う体制もとっている。
 さらに、設計図書はもちろんのこと、高性能住宅を示す気密・換気等の測定報告書、施工業者・現場監督・第三者機関の施工管理記録をまとめた「住宅履歴書」を整備。定期点検やアフターメンテナンスの記録を追加してファイルし、履歴情報を蓄積していける提案としている。また、すべての「住宅履歴情報」を電子化し、邸別にイントラネットで閲覧できるようにし、現場担当者以外でも即座に対応できるシステムを提案している。
「信州エコハウスシステム超長期住宅モデル」の概要図

●今後の予定について

 「信州エコハウスシステム」は、「県産資材で造る信州の気候風土に適した省エネで快適な住宅」をよりリーズナブルに提供する為、建物自体はもちろんのこと、販売方法を含めた合理的なシステムとして開発。建築コストや住んでからの冷暖房費に係るランニングコストを事前に明示することで、家計・家族・地球に優しい家を提案している。
 今回採択された「超長期住宅仕様」を新たにラインナップに加え、見学会の実施や情報公開を行い、普及拡大を図っていく。
第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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