第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

　パナソニック電工では、オリジナル木造耐震住宅工法「テクノストラクチャー」により、在来木造住宅の耐震・耐久性を強化し、全国約400社のテクノストラクチャー施工認定店、パナソニックビルダーズグループ (共同事業者で建設事業者) とパートナーシップを組むことで、長寿命化に向けた高品質な住宅供給を目指している。
　テクノストラクチャーならではの強い構造体と家歴書データベースを軸としたシステムで、住まう人が変わっても、住まいの構造や間取りが変わっても、家歴書がリレーのバトンのように受け継がれ、ストック社会に対応した超長期的住宅を実現し、長期にわたって住まいを大切に住み継いでいくことを目指している。

POINT(1) 家族構造の変化に対応する「リフォームリレー」の仕組みづくり

1. 新築時からリフォームを想定し、柔軟な間取り変更を可能に：高強度部材による広大な室内空間と梁勝ち工法により、間仕切壁の自在な設定が可能となり、家族構成の変化に合わせた可変設計を実現する。(フリーウォールシステム)
   
   
2. 「テクノストラクチャーリフォームサポートセンター」の設置：「リフォームサポートセンター」の設置により、施主からリフォームの相談を受けたテクノストラクチャー認定工務店が、センターに間取りの変更等に関する問い合わせを行えば、構造計算に基づいた回答を行い、構造的に検証されたリフォームプランを提示することができる。
   
   
3. 家歴書データベース管理でリフォームを促進：住宅の履歴情報となる「構造計算書」「構造設計図書」、「建築確認図書」、「性能評価書」さらに「UNIT配線 (換気、情報配線)、配管図」等を「家歴書」として購入者に引渡す。また、これらの情報をデータベース化を行った上で管理し、リフォーム時に紛失していた場合には、再発行を行うことでリフォームしやすい仕組みを整え、リフォーム後は変更履歴を保管する。

	「テクノストラクチャー」のイメージ

POINT(2) 「住みかえリレー」を最適化するための流通促進システムの導入

1. 住みかえサポートセンターの設置：全国のパナソニックビルダーズグループによる「住みかえサポートセンター」を計画し、パナソニックビルダーズグループ会員専用ホームページ内で、テクノストラクチャー工法で建てた住宅の空き家情報を公開し、情報交換を行い、施主の転居に伴う住みかえ先の検索など、情報ネットワークを活用した中古分譲物件情報の共有により、中古住宅流通を促進する。
   
   
2. 「家歴書」の再発行システムによる転売促進：転売時に重視される構造計算書などの「家歴書」情報については、申請があれば再発行できるようにする。

POINT(3) 「点検・メンテナンスリレー」による快適な居住環境の維持

1. 入居後のお困りを解決するサポートセンターの設置：住宅引き渡し後の住まいのトラブルに迅速に対応するサポートセンターの導入により、アフターサービスを充実する。
   
   
2. 長期修繕計画と点検システム：新築時に「長期修繕計画」を作成、お渡しし、住宅設備の耐用年数に基づいたオリジナル点検メニューにより定期的な点検・保守・メンテナンスを行い、住宅の長寿命化を実現する。

POINT(4) テクノストラクチャーによる住宅の高性能化と長寿命化

1. 「テクノストラクチャー」の住まいはパナソニック電工が全棟について緻密な構造計算を行い、客観的な数値で立証された高耐震住宅のみを建設する。
   
   
2. 木と鉄による高強度複合梁「テクノビーム」を採用し、木造住宅の構造劣化の一因となる横架材のたわみ問題(クリープ変形)を解消する。
   
   
3. 柱や土台などは、パナソニックビルダーズグループ加盟店が一定の品質以上の木材を現地調達し、地域ならではの住まいを実現する。
   
   
4. 地震時の住宅の揺れを物理的に抑制する「制震システム」を組み込み、地震への安全性と高耐久性を獲得。家具や壁紙の破損などの被害を軽減し、住宅の資産価値を守る。

POINT(5) 供給規模の広範性を活かした地場住宅産業振興に寄与

1. 全国ネットのパナソニックビルダーズグループにより、良質な木造住宅のストック増を目指す。
   
   
2. 地域ビルダーの活性化につながる社会貢献度の高い工務店グループ組織を形成する。
   
   
3. 地域ごとに異なる多様な住文化・条件 (モジュール、斜線制限、気候風土、慣習等) に柔軟に対応する。