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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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ポラスの超長期構法『ポラス サステナブル システム』

ポラテック 株式会社 (ポラスグループ)
〒343-0845
埼玉県越谷市南越谷1丁目21番地2

●基本コンセプトについて

 ポラスグループ内のポラス暮し科学研究所オリジナル開発の高耐力壁や金物構法、高断熱工法と給気予熱換気システムおよび気象データの分析から得られた卓越風向を基にした通風設計を行うことなどにより、可変性の高い空間と省エネで快適な居住環境を実現する。設計および建築中や引き渡し後はグループ内の住宅品質保証部門にて、ユーザーと建物情報を共有し相互情報交流が可能なシステムを用いて、顧客のサポートと適切な点検、修繕を行うこととし、建物のハード面の工夫と維持管理により超長期に維持する仕組みとする。

●先導的な提案の内容について

(1) オリジナル耐力壁やオリジナル構法を駆使したサステナブルな空間の実現。
 オリジナル高耐力壁や金物工法、2階床を吊る工法の採用などにより、耐震性を確保しつつ、将来の大きな間取り変更を可能とする。小屋裏3階についてはオリジナル小型耐力壁を用いたフレーム構造を用いて空間を有効に活用する。
 
(2) 全棟構造計算の実施とオリジナル金物工法により、将来的な部分改修を容易とするシステム。
 全棟構造計算を行い、計算結果は建物データに記録、ユーザーも共有する。将来は計算書を基に部分改修を容易に行うことができる。
 
(3) オリジナルの高断熱工法と給気予熱換気システムによる省エネと温熱環境のバリアフリーの実現。
オリジナル給気予熱換気システム
【アクティブ・マイルドエアフロー】
 外壁を充填+外張り併用断熱工法および樹脂複層Low-eガラスサッシとすることで、次世代省エネルギー基準を上回る断熱性能とし、暖冷房エネルギーを次世代住宅より約30%削減する。また、高断熱化により室間温度差が小さくなり、高齢者に配慮した居住環境が実現できる。
 中間階は2重床とし、その空間をチャンバーとして利用、2階へはダクト給気とするオリジナル換気システムとする。導入した外気は加温装置を通して予熱することで、暖房時は建物全体に温度差が無く、非暖房時の朝方でも15℃を下回らない快適な環境が実現できる。2重床はまた、床の防音性を高めるとともに、将来の設備増設による配線などの工事を容易にする。
 
(4) 地域の気象データを用いた通風設計などによる環境に配慮した設計。
 当グループが商圏としている各都市のアメダス気象データや各市町村で測定している気象データを入手し、気象特性や主に風向を分析、開口部や植栽配置設計に活かす。開口部はオリジナル通風換気回数チェックソフトを用いて換気回数20回/hを目安としながら設計する。
気象データの分析例
 
(5) 建物情報のユーザーとの共有化と適切な点検・修繕による永続的な維持管理・保証システム。
 設計および施工の各段階、メンテナンス、修繕などの記録を残し、ユーザーと情報交換が出来るシステムにより、建物情報がユーザーに残るようにする。さらには、その記録を活用して適切な点検、診断および修繕を行うことで、保証が継続される仕組みとし、所有者が変わった場合でも、建物情報と保証を引き継げるようにして維持管理や将来のリフォームに対応出来るようにする。

●今後の予定について

 当グループは埼玉県東部と千葉県西部、東京都北部を商圏とし、地域密着経営で分譲住宅および注文住宅、リフォームなどを手掛けている。今般の採択システムはグループ内のポラス暮し科学研究所が開発した技術を駆使してハード面で超長期に耐え得るシステムを構築し、加えて販売、建設、検査とアフターメンテナンスの各部門を持つグループの特性を生かし、建物記録の保存や維持管理面で超長期に維持するシステムが総合的に評価されたと受け止めている。特に、国交省から「地域の気候風土を考えた提案」が求められていた中で、気象データを分析し通風設計に活かすという提案が評価されたことは、地域密着の営業をしている当社の強みを発揮できたと考えている。
 今後の計画は、採択されたモデルを商圏エリア全体に分散するように分譲住宅および移動展示場 (販売する住宅) として建設し、現場での構造や断熱工法の見学会、完成後の説明会を実施する。また、入居後には居住者の意見も伺える入居者見学会も行い、超長期住宅の考え方やシステムの普及を図る。一方、固定展示場や営業所などでは、当該システムを説明したパネルの設置や説明会などを実施、建築記録や点検修繕記録の閲覧など、双方向通信のデモンストレーションも行い、来場者に超長期維持の仕組みの周知を図っていく。
 なお、ポラスグループのホームページでは今般採択されたシステムの概要を掲載するとともに、上記の普及活動の様子などを随時掲載し、見学会や説明会への来場を促し、超長期住宅の普及を図っていく予定である。
第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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