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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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EPIOS超長期住宅対応仕様

八木木材産業 株式会社
〒420-0009
静岡県静岡市葵区神明町71

●基本コンセプトについて

 今回の提案においては200年住宅ビジョンの、「いいものをつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使う」という概要をさらに堀り下げて提案を行った。つまり自分の住宅を手入れしていくことで、愛着を持ち、既存近隣と調和した景観も含めて住環境そのものが財産であるという認識を浸透させることにより、長期に渡り住み継ぐことができると考えた。すなわち、メンテナンスや増改築をしやすくることを基本とし、生活環境の変化に対応できるようにした。
 提案は後に述べる様に3点に大別され、それがそれぞれ独立して存在するのではなく、互いに相乗効果を引き出す様に構築されている。

●先導的な提案の内容について

 3点の提案の内、まず1点目は構造躯体等についてである。これは建物本体が長期の使用を想定するために、基本的な初期性能としての、耐震性、耐久性を確保し、保守点検の容易性を向上させ、大地震や洪水などの災害に対する復旧性能を持ち、間取りの可変性を実現させることを目的とした。
アルミ遮熱を利用した多層構造の屋根
アルミ遮熱を利用した多層構造の壁
 超長期住宅対応仕様は弊社のEPIOS工法を基本としている。まず大臣認定を受けた4.8倍の耐力壁をバランスよく配置し、内部の特定耐力壁に応力を誘導して間仕切壁にかかる負荷を減じる構造、つまり可変性の高い家となっている。また構造上重要な柱を図面上及び現場で明記し、強度を損なうことなく確実に間取り変更が出来るようにした。さらに躯体の内外を輻射熱反射作用のあるアルミの特殊シートで囲み、間に通気層、断熱層を挟みこむ多層構造により非常に高い断熱効果を得ることができる。
 基礎に関しても有効高さを通常仕様よりも上げ、床束の設置ピッチを大きくとることで点検者が往来しやすく、且つメンテナンスが発生した場合の作業性も良いものとした。また浸水への危険性も軽減された。その上中性化抑制の塗料を塗布し、鉄筋皮膜を保護することにより鉄筋を防錆し、基礎強度の性能を維持させることができる。
 土台に関しても柱と土台の接合、土台と大引きの接合を横に外せる金物にし、躯体をジャッキアップしなくても抜き易くするシステムを採用した。長期に渡って建物を維持していくことを考えた場合、最も腐りが心配されるのが土台であり、このシステムは床をはがすことないため、生活したまま傷んだ土台のみを交換することを可能にするものである。
 さらに将来的な間取りの変更も考え、給排水を集中的に管理するシステム配管に予備口を設け、水まわりの増設、移設にも対応できるようにした。
 
 2点目は「情報提供手法」についてである。長期間安心して住むためには、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが重要であり、つまりそれは建物の保守点検、増改築などをサポートする「情報提供の手法」を整えることである。
 まず、販売エリアごとに配置されているサービスセンター員がメンテナンス項目と時期が記載された点検表を元に、定期メンテナンスを行う。その際に簡単なメンテナンスのやり方、点検時期、見分け方を伝えていくことにより、施主自ら維持管理できるようになり、建物の長寿命化に繋げることができる様になる。
 そして超長期で建物が維持されていくことを考えた場合、他の施工店に補修、改修を依頼する場合も考えられる。その際に作業者が建物の特徴を理解し、性能を損なうことのなく適切な工事が行える様に物件毎の増改築マニュアルを作成し、使用部材の一覧も作成する。
 それらの設計図書、住宅性能評価図書、使用部材一覧、増改築マニュアルをデジタルデータ化し、第三者のデーターサービス保管システムを利用し格納する。メンテナンス履歴は都度更新、蓄積されるので新たにメンテナンスが発生したときにも前回までの補修履歴なども確認できる。
 
 3点目は「地域景観との融合」についてである。欧州の街並みに見て取れるように、建築後長期間経てもデザインの陳腐化が少ないのは、地域の条例や使用可能な色やデザインなどが決められているため、街に統一感がとれ景観を含めた住環境その物が財産であるという認識が強いからである。
 そこで地域や街並みの特性を考慮した優れたデザインと敷地計画を個別に検討し提案することで、結果として建物寿命を延ばし、周辺環境の保全と地域価値の向上を目指している。
 具体的には日本の伝統的な庶民住宅を現代風にアレンジを施したものを推奨デザインとし、地域景観とデザインマニュアルを活用の上、街並みに配慮した住宅を設計し、そして社内にデザイン推進チームによりマニュアルに則したデザインがなされているか、地域の景観に配慮された設計になっているか総合的に検討する。

●今後の予定について

 県内展示場、インテリアショップ、イベント、HPなどを通じ超長期住宅先導的モデル事業を掲示すると共に、超長期に渡って住宅が住み継がれることの良さを広く告知し、推進していく。
 また本モデルの発売を記念したキャンペーンを企画して、普及に努める。
第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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