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第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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東京/森の木の家プロジェクト

東京家づくり工務店の会
〒112-0012
東京都文京区大塚3-5-9 住友成泉小石川ビル別館6F (株式会社参創ハウテック内)

●基本コンセプトについて

 東京を拠点に設計施工一貫体制で住まい手参加型の家づくりを実践している工務店 (東京家づくり工務店の会) が、イコールパートナーという考え方を軸に連携・協力し合い、以下の考え方に基づき住宅の長寿命化を実現するための技術、仕組みについて提案した。
  1. 東京の森の木 (多摩産材認証制度) を利用した地産地消の家づくりを取り組むことで地域循環型社会形成へ貢献する。
  2. 住まい手参加型の家づくりを通じ、住まい手の意識を行動に喚起する「見える化」を実施し、住宅維持管理の意識向上を促し、住宅の長寿命化を図る上で住まい手の役割の大切さを啓発する。
  3. 中小工務店の弱点である維持管理・記録保存・流通促進といったソフト面に関し、イコールパートナーの効果を発揮させる。

●先導的な提案の内容について

[住宅の長寿命化を実現するための技術]
(1) 地域産材の活用と耐久性向上
 多摩産材認証制度で認証された地元産材の植林から製材・二次加工まで一貫システムで行っている地元木材事業者との連携で同社所有の乾燥釜で乾燥させた構造材の含水率測定を行い、グレーディングマシーンによる曲げ強度や、プレカットした上で邸別に出荷証明書を発行・保管し構造材の品質を担保する。独自の床下換気システムの導入と室内を真壁にし構造材を曝露することで構造躯体の耐久性の向上を図る。
 
(2) 居住空間の可変性と省エネルギー
 引渡書類に耐力壁ノートを添付し、将来の増改築が必要な時に活用し、間仕切壁は真壁間仕切り可変システムを採用し柱間の単位で壁の交換・改廃・増設を容易にする。省エネルギーについては、等級4相当以上の性能を確認するため全棟でQ値、μ値の計算を実施する。
 
(3) 住まい手参加型維持管理における「見える化」
 床下等に温湿度記録計、床下の配管ヘッダー付近に漏水センサーを設置し、引渡後のユーザーによる維持管理の意識向上や、床下の緊急時への対応に配慮する。『見える化』による床下等の変化を記録計からユーザーが認知し、日常の維持管理の必要性について啓発する。
 
(4) エネルギー使用抑制を喚起するための「見える化」
 使用エネルギー量表示機器 (電力監視モニター) の設置、環境家計簿の作成を実施することで、省エネルギーの効果を定量的に把握し、家庭内におけるエネルギーの使用抑制を喚起する。
 
[住宅の長寿命化を実現するための仕組み]
(1) 長期継続型保証システム
 
 維持保全計画の作成等については、グループの特性を活かし、保証内容・維持管理計画・定期点検内容等の管理方式の共通化を図り、グループとしての長期継続型保証システムを構築し、相互補完することによって、住宅の寿命延長と資産価値向上を目指す。
 
(2) 技術的側面からの完成保証
 現存する第三者機関の「完成保証制度」による経済的担保に加え、技術的水準、基本性能を担保する基本ディテールの考え方の共通化を図ることで技術的側面からの建物の完成も保証することができる。
 
(3) 住宅記録保存「家暦タイムカプセル」
 住まい手に引き継ぐ・住み継ぐ・時代を超えるという意識付けを浸透させることを目的として「家歴タイムカプセル」という概念で住宅記録保存の大切さを啓発する。建物引き渡し後、保存箱 (≒タイムカプセル) を住戸内に設置し、その中に情報記録を保存し、点検・修繕を行うたびに記録資料を更新追加していくとともに、メンバー各社でも情報記録をバックアップし、住宅履歴を長期にわたり記録保存する。
地域工務店連携モデルの概念図

●今後の予定について

 従来型の住宅供給の枠組みを超えた、同じ大都市圏という地域で活動する工務店同士がそれぞれの独立性を維持しながら、互いの仕事を評価し、「イコールパートナー」という考え方を軸に競合から協働に発想転換した地域工務店連携モデルを形成した。この連携協働効果により、基本技術の共通化、ソフト面における維持管理・記録保存・流通促進等の家歴について管理方式の共通化、アフターサービス面での「イコールパートナー」効果を図る事で、住まい手に対し経済的担保と技術的担保を可能としていく。
 住まい手参加型の家づくりを実践している強みを活かし、住宅維持管理の意識向上を浸透させるために「家歴タイムカプセルの設置」「見える化」を実施することで、住まい手が住宅の長寿命化の鍵を握っていることを訴求していく。
第2回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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