第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
阿佐ヶ谷プロジェクト
株式会社構造計画研究所
〒164-0012
東京都中野区本町4-38-13
東京都中野区本町4-38-13
●基本コンセプトについて
共同賃貸住宅である「阿佐ヶ谷プロジェクト」の基本コンセプトは、一言で言えば「長寿命 (フレキシブルで高耐久) なスケルトン」であり、それは主に3つの要素から構成される。
一つは世界初の3次元免震建物の提案である。従来の水平方向だけでなく、上下動にも対応した3次元免震装置を地下ピットに設ける。
阪神淡路大震災クラスの大きな地震に対しても建物が健全であるばかりでなく、建物内部において、家具の転倒や什器の散乱を防ぐことが期待できる。
もう一つは「フレキシブルで居住性の高い建築計画」である。超高性能の躯体に見合うべく、内装設備の維持管理の容易性、変化に対応できる良質な空間、次世代省エネルギー基準及びバリアフリー対応など、いずれの性能についても充分に満たすものとする。
最後は「省エネルギー・情報化への対応」である。情報マネジメントシステムの採用で、施工記録や維持管理履歴の管理、エネルギーモニタリングを積極的に行うようにする。必要に応じて建築主や居住者が閲覧でき、建物の運用面からも環境負荷を軽減していく。
このように、「阿佐ヶ谷プロジェクト」では非常に長い年月に耐え得る超高性能建物を実現し、その技術の進展に資するとともに、社会に向けて積極的に発表することで普及啓発を図る。
一つは世界初の3次元免震建物の提案である。従来の水平方向だけでなく、上下動にも対応した3次元免震装置を地下ピットに設ける。
阪神淡路大震災クラスの大きな地震に対しても建物が健全であるばかりでなく、建物内部において、家具の転倒や什器の散乱を防ぐことが期待できる。
もう一つは「フレキシブルで居住性の高い建築計画」である。超高性能の躯体に見合うべく、内装設備の維持管理の容易性、変化に対応できる良質な空間、次世代省エネルギー基準及びバリアフリー対応など、いずれの性能についても充分に満たすものとする。
最後は「省エネルギー・情報化への対応」である。情報マネジメントシステムの採用で、施工記録や維持管理履歴の管理、エネルギーモニタリングを積極的に行うようにする。必要に応じて建築主や居住者が閲覧でき、建物の運用面からも環境負荷を軽減していく。
このように、「阿佐ヶ谷プロジェクト」では非常に長い年月に耐え得る超高性能建物を実現し、その技術の進展に資するとともに、社会に向けて積極的に発表することで普及啓発を図る。
●先導的な提案の内容について
先導的な提案の具体的なポイントを紹介すると次のようになる。
三次元免震装置について
三次元免震装置は、上下方向の免震機能を実現する空気ばねと水平方向の免震機能を実現する高減衰積層ゴムを組み合わせて構成される。
上下方向の支持剛性が低くなることによるロッキング振動の増大を防ぐために、ロッキング振動を抑制し、建物を水平維持しながら上下運動をさせるオイルダンパーによるロッキング抑制装置を考えた。
上下方向の床応答加速度は従来の建物に比べ2分の1〜3分の1程度に軽減することができる。また水平方向に対しては従来の免震建物と同等の性能を確保する。
これまでの免震構造は、一般に水平方向のみに対して有効なものだった。また上下方向に対する免震化は建物がロッキング方向へ運動しようとするのをいかに抑えるかという技術的な課題が指摘されてきた。
今回の三次元免震装置ではその課題に対応。上下方向に対しても免震化を施すため、建物の耐震安全性だけでなく、内部の家具や貴重品等の損傷の防止、居住性の向上という観点からも有益だと考える。
記録の作成および保存等について
この提案では、住宅に関する情報を収集・集約して閲覧管理する支援システムである「SMILEシステム」(東京大学生産技術研究所、東京ガス、有限責任事業組合住生活情報マネジメントシステム企画による共同開発) を適用する。
SMILEシステムは、住宅の設計情報、点検・修繕履歴、住宅設備・耐久消費財の購入・修理履歴、エネルギー消費量など、住宅に関わる幅広い情報をWebサーバーに一元的に集約し、建築主や居住者、施工業者等がインターネットを介していつでも登録・更新・閲覧できるWebシステムである。
住まい手にとっては登録した情報を出力して住宅履歴書とすることができる。また施工業者やメーカーにとっても適切なメンテナンスや万一の事故に早急な対応が可能となるといった優れたメリットがあげられる。
情報を電子化することで、印刷物での保管に比べて、劣化することなく長期にわたる保存 (情報の長寿命化) が可能になる。
さらに、エネルギーモニタリング機能により、住まい手の省エネ意識を高揚し、住宅のライフサイクル価値を高めていくための動機づけを生むことで、住宅の長寿化・資源利用効率の向上に貢献すると考える。
3次元免震ユニット | |
阿佐ヶ谷プロジェクト建物断面図 | |
三次元免震装置は、上下方向の免震機能を実現する空気ばねと水平方向の免震機能を実現する高減衰積層ゴムを組み合わせて構成される。
上下方向の支持剛性が低くなることによるロッキング振動の増大を防ぐために、ロッキング振動を抑制し、建物を水平維持しながら上下運動をさせるオイルダンパーによるロッキング抑制装置を考えた。
上下方向の床応答加速度は従来の建物に比べ2分の1〜3分の1程度に軽減することができる。また水平方向に対しては従来の免震建物と同等の性能を確保する。
これまでの免震構造は、一般に水平方向のみに対して有効なものだった。また上下方向に対する免震化は建物がロッキング方向へ運動しようとするのをいかに抑えるかという技術的な課題が指摘されてきた。
今回の三次元免震装置ではその課題に対応。上下方向に対しても免震化を施すため、建物の耐震安全性だけでなく、内部の家具や貴重品等の損傷の防止、居住性の向上という観点からも有益だと考える。
記録の作成および保存等について
この提案では、住宅に関する情報を収集・集約して閲覧管理する支援システムである「SMILEシステム」(東京大学生産技術研究所、東京ガス、有限責任事業組合住生活情報マネジメントシステム企画による共同開発) を適用する。
SMILEシステムは、住宅の設計情報、点検・修繕履歴、住宅設備・耐久消費財の購入・修理履歴、エネルギー消費量など、住宅に関わる幅広い情報をWebサーバーに一元的に集約し、建築主や居住者、施工業者等がインターネットを介していつでも登録・更新・閲覧できるWebシステムである。
住まい手にとっては登録した情報を出力して住宅履歴書とすることができる。また施工業者やメーカーにとっても適切なメンテナンスや万一の事故に早急な対応が可能となるといった優れたメリットがあげられる。
情報を電子化することで、印刷物での保管に比べて、劣化することなく長期にわたる保存 (情報の長寿命化) が可能になる。
さらに、エネルギーモニタリング機能により、住まい手の省エネ意識を高揚し、住宅のライフサイクル価値を高めていくための動機づけを生むことで、住宅の長寿化・資源利用効率の向上に貢献すると考える。
●今後の予定について
建物竣工後は随時、建物の見学会を実施する予定である。見学会の開催を考慮し、免震ピットの入口はガラス化し、タラップの設置を計画している。また工事中でも、現場見学会を開催する予定である。
三次元免震装置についてはセミナーを開催するほか、学会での論文発表等を通して、装置普及のための認知および技術理解を推進する。さらにホームページでの紹介・PRによって一般消費者への理解を広める。
三次元免震装置についてはセミナーを開催するほか、学会での論文発表等を通して、装置普及のための認知および技術理解を推進する。さらにホームページでの紹介・PRによって一般消費者への理解を広める。