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第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

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国興ホーム 超長期住宅信州・松本モデル事業

株式会社国興
〒399-0027
長野県松本市寿南1-7-22

●基本コンセプトについて

 今回超長期住宅先導的モデル事業に提案するきっかけは、まさしく、その事業趣旨である。「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う」というストック社会における住宅のあり方についての提案が求められた。
 世代を超えて住宅の長寿命化を図ることで、「つくっては壊す」フロー消費型の社会から、ストック型社会への転換をはかり、地球温暖化対策の一翼を担うと共に、最終的には、「ゆとり」ある豊かな生活の実現へ繋がっていくのだと思う。
 これは、弊社がこれまで取り組んできた姿勢、企業理念、また、これから目指す方向性、全てにおいて合致する部分が多いため、これを機に、弊社工法をもう一度多角的に分析し、建てた後の生活を支援する仕組みを考え、提案書としてまとめ、応募した。

●先導的な提案の内容について

 信州・松本は、北アルプスを望む山岳都市であり、近隣を森林に囲まれた自然環境に恵まれた地域である。一方、冬期は積雪や凍結、夏期は、近年の温暖化現象で真夏日を超える日が増えている傾向が見られ、年間を通しての寒暖差が大きい上に、比較的湿度の低い気候のため、1日の中での外気温の変化も大きく、空気が澄んでいるために日本有数の紫外線の強い土地柄でもある。
 この地域の厳しい自然環境を克服し、その自然を最大限生かしながら、健康的で快適に世代を超えて長く使える住宅にするために、弊社では、木造住宅で最も大切な木材において欠点とされる、「腐る」「狂う」といった課題を克服するシステム工法 (「全熱交換換気/普通換気 強制同時給排換気扇を利用した躯体間通気換気システム」と「外張り断熱工法」を融合させた独自のシステム (以下、国興システム (特願2008-124010) と略す。)) を、21年前から開発研究を続けてきた。「住宅」としてのハード面で、この国興システムを軸に提案し、併せて、「生活」というソフト面で、住み始めてからの維持管理について、計画書や積立金のシステムなどを提案し、地域 (信州・松本) のモデル住宅として実際に建築し、様々な形で公開していく。
 
国興システムの特徴
  1. 日本人の伝統的知恵が生かされた神社仏閣のように、木が呼吸をし、手入れが容易な特長を生かすと共に、蔵のようなシンプルで断熱性に優れ温熱環境の安定した建物を、現代の高気密・高断熱化住宅に再現し、快適で省エネルギー性の高い住宅をつくることができる。
  2. 床下の高さを人が移動できる高さを確保する等の工夫により、保守点検が容易にでき、且つ中古住宅の売買時に買主や仲介業者による確認を容易にする等、先導的な内容を備えており、世代を超えて長期にわたり使用でき、資産価値を高めることができる。
  3. 躯体の外壁面に断熱・気密層があるため、断熱材や気密層を傷つけずに改修することができる。
    また、増築・減築する場合でも、比較的容易に断熱・気密層を連続して施工できる。
国興システム
 いい建物を造って、長く使うためには、使用される材料の特性を的確に捉え、適材適所に用い、素材の劣化を軽減させることが重要である。また、ストック社会を形成するために、住まい手が容易に保守点検でき、可変性に対して柔軟であることはもとより、住まい手が維持管理を続けられるためのコミュニケーションも大切だと考える。
 
メンテナンスと、そのための修繕積立金
 住まい手にとって維持管理で、一番の心配事は、金銭的な面である。
 今までは、業者任せであったり、住まい手個人の裁量に任された結果、手をあまり入れられず、ひいては何十年か経って、いざ本格的に直そうと思った時は、「この状態は直すより、建て替えた方が安い」となってしまい、既存住宅は壊されてしまっている。
 世代を超えて住み続けるためには、ある程度のメンテナンスが定期的に必要である。この先、「いつ」「どういった工事を」「いくらぐらいかかるか」といった維持管理計画書を住まい手と一緒に作成し、その計画に基づいた資金計画を概算で策定し、説明と提案をしていく。
 メンテナンス時の費用について、引き渡し後からの毎月修繕積立金システムを地元金融機関と連携して行うことで、その積立金で修繕したり、積立金を担保にしたローンの斡旋を行ったり、住まい手の金銭的不安を取り除き、適正な維持管理がなされていくと考える。

●今後の予定について

 日本の伝統的に用いられた木材を基本素材とし、シンプルな技術を融合させることにより、これからの温暖化対策を含めた、社会の資産になる超長期住宅 (ハード) として先導的役割を果たすとともに、世代を超えて住み続けられる生活 (ソフト) も併せてご提案することで、真に豊かな社会の実現に家づくりを通して安心できればと考えている。
第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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