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第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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ヘーベルハウス・ロングライフ住宅

旭化成ホームズ株式会社
〒163-0939
東京都新宿区西新宿2-3-1 (新宿モノリス)

●基本コンセプトについて

 当社では、平成10年に「ロングライフ住宅の実現」を宣言し、“半世紀を超えてお客様の満足が持続する住まいづくり”を目指してさまざまな取り組みを行ってきた。
 今回は、これまで積み重ねてきた取り組みをそのまま提案することとした。基本的な考え方は「高い防災性能や居住性能を有する住宅を実現し、同時に当該性能を60年以上の超長期にわたって持続しやすい構法やサービスを採用することによって、居住者が安心して快適に暮らすことが可能となり、結果として住宅の長寿命化を図ること」であり、これにより供給者と居住者が一体となって住宅の長寿命化に取り組むことである。

●先導的な提案の内容について

<耐久性>
 提案建物は、品確法における「劣化の軽減」で規定される範囲にとどまらず、スケルトンを構成する主要部材 (基礎、軸組材、外壁、床、屋根) に対して、60年以上の耐久性を有する部材を配している。
 併せて定期的なメンテナンスが必要な防水シートやシーリング、外壁塗装については、独自に開発した30年以上の耐久性を有する材料を使用し、メンテナンス周期をそろえることで、60年の間に一度だけ計画的なリプレイスを行うことで60年以上の耐久性を確保できるようにしている。
 
<耐震性>
 軸組みにパネル化された偏心ブレースを設置。偏心ブレースのリンク部に極低降伏点鋼製による制震デバイスを交換可能に取り付けた制震構造を採用している。
 この制震デバイスは、オイルダンパーや粘弾性材料等に比較して安価に高い耐震性能を提供することが可能であり、木造住宅などにも転用が可能な技術である。また、想定を超える地震により制震デバイスの損傷度が高くなった場合であっても、容易に制震デバイスを交換することが可能であり、「安全性」のみでなく「修復性」も考慮された技術であり、建物の長期使用に資するものである。

ロングライフ住宅を具体化するヘーベルハウス
<維持管理>
 一般の住宅においては、部材毎の耐久性にばらつきがあることから、メンテナンスの頻度と費用がかさみ、結果的に十分なメンテナンスがおこなわれず住宅寿命を短くする一因となっていると考えられる。
 提案建物では、60年間におけるメンテナンス計画を策定し、建物供給時に邸別に60年間のメンテナンスプログラムを居住者に対して提供する。先に述べたように主要部材については60年以上の耐久性を有し、メンテナンスが必要な部材に関しては30年に一度の計画的メンテナンスを行うことで建物全体としての長期耐用性を実現している。
 併せて60年点検システムを導入し、定期的な点検を行い独自の部材耐久性診断システムにより居住者に予防メンテナンスを促すことで住宅の長寿命化を図っている。
 
<記録の作製と保存>
 独自のアフター顧客情報システムというシステムを構築し、創業時からの住宅データを保存している。
 邸別データとしては施行図面、仕様書などの関連図書を画像データとして保存すると共に、建設時にCAD登録された部材品番を邸別データベースとして保存している。またこのデータベースは、邸別の使用部材が一覧できるだけでなく、交換等により部材に変更があった場合も反映ができるようになっている。
 メンテナンスに関して、所有者からの問い合わせに応じてこれらの情報をサービス担当者が随時閲覧可能としており迅速な対応を可能としている。情報の閲覧・登録は、顧客情報・定期点検情報・メンテナンス履歴情報・過去の問い合わせ情報などに分かれており、図面・仕様書・部材データベースと連結することで、必要な邸別情報をいつでもPC上に呼び出して利用することが可能。
 
<流通促進等に関する取り組み>
 提案建物では、所有者の求めに応じ自社保有建物情報に基き、独自の査定を行うストックヘーベルハウスという専用の既存住宅販売サービスを提供している。
 一般の建物査定と異なり、スケルトン部分の流通耐用年数を50年とし、インフィル部分を15年とするなど住宅の資産価値に応じた流通を実現している。また、住替え型リバースモーゲージ商品である「リムーブ」といった金融サービスを提供するなど住宅資産を活用した積極的住替えを支援するサービスを展開している。

●今後の予定について

 今回の提案は、当社の現在行っているビジネスそのものであり、今後も継続して努力することで一層の進化を図っていく。基本的には当社の供給する建物は全てがモデル事業に該当することとなることから、適用案件の選択方法については今後の検討としている。
 該当した建物は、各建設現場に当モデル事業を分かりやすく解説する看板等を設置し、近隣住民への広報活動を積極的に行っていく。
第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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