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第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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My Cube「SI工法」

山佐産業株式会社 (ヤマサハウス)
〒890-0052
鹿児島県鹿児島市上之園町21-7 湖城ビル2階

●基本コンセプトについて

 ヤマサハウスがもともと企画していたスケルトンインフィル (SI) 思想の独自工法を、今回のモデル事業提案に合わせて超長期仕様に見直し、耐久性を高めて提案した。構造には「認証かごしま材」と地域材を活用。耐震性のほか、耐風性にも配慮した、地域の気候風土に合った、高耐久の仕様である。
 新工法の名称は「My Cube (マイキューブ) SI工法」。「家族と一緒に成長する家」をコンセプトとし、家族構成やライフスタイルの変化に応じて空間を自由にカスタマイズできる。
 すなわちいいものをつくり、きちんと手入れし、しっかり維持管理をすることで、何世代にも渡って住み継ぐことができる家。成熟社会における資産価値が高いといえる。

●先導的な提案の内容について

 今回の提案の5つのポイント (ハード面) を以下にまとめる。
 
Point1 スケルトン・インフィルとフリーウォール
 外周は耐震性・耐久性の高い構造を採用し、しっかり固めた (スケルトン) うえで、内部の間取りは設備を集約することで、状態に応じて空間を自由にかえることができる (インフィル)。また、住宅設備は保守・点検の容易性で維持管理、リフォームに対応でき、環境共生の観点から自然エネルギーや省エネルギー型設備(例えば太陽光発電)等の導入も容易に可能なシステム内容となっている。
 
Point2 設備の集約化とフリースペース (可変空間)
 内部は玄関、水廻り (浴室・洗面・トイレ)・階段を一箇所にまとめ、配管なども集中させた。設備を集約することで、可変空間を1LDK・2LDK・3LDKと自由に間仕切ることができる。

My Cube「SI工法」の基本外観イメージ
Point3 平面的可変空間と立体的可変空間
 小屋裏利用タイプは、平面的可変に加えて、より立体的に空間を有効活用できる。小屋裏部分は子供室として利用するだけでなく、例えば奥様の趣味の空間、ご主人の書斎、家族のリフレッシュルーム・ロフトとしても利用可能。空間の視覚的演出、広がり、変化をもたらし、豊かな生活の創出に繋がる。
 
Point4 外殻の断熱・遮熱とフリースペースの温熱環境
 SI 工法を可能とする構造-断熱・遮熱によって外殻をしっかりと包み込むことで、壁体内の結露や、夏、冬の室内外の温度差による影響を抑え、可変空間の構造・温熱環境を一定に保ち、立体的可変空間部分の快適利用を可能とする。
 
Point5 地材地建の理念・自然素材へのこだわり
 外部、内部ともに地材地建の理念、自然素材にこだわり構成した。「地産地消」や「フードマイレージ」など、食料での現地消費がいわれているように、鹿児島で永く安心して住める家をつくるためには、高温・多湿・台風等自然災害を受けやすい厳しい環境下で育った地元の木をうまく利用することが大切だと考える。特に内部においてはシックハウスなどに対しての健康的不安を取り除き、安心感を与えると共に「木」という天然素材が愛着、親しみ、安らぎを与える空間を実現させる。
 
 また、長く住み続けるためのソフト面の対策として、新築の際、住宅履歴書を作成・保管し、6・12・24ヵ月及び5年・10年の維持管理点検 (無償) を行うこととした。さらに、11年目以降はお客様自身が検査できる自主点検表を作成。10年毎の維持管理点検 (有料) プログラムとメンテナンスメニューも整備する。
 必要に応じてメンテナンスを行いながら住むことが住宅の資産価値を高めるということを、お客様にも理解していただきながら、これらの記録をしっかりと保管していくシステムとなっている。
 こうした住宅によって新築した施主が30年間住み、次に受け継いだ世代が手を加えながら更に30年間・・・とバトンタッチしていけば何世代も住み続けられることになる。
 以上のように、「認証かごしま材」と地域材を活用し、耐久性の向上、設備の集約化による可変性の確保、アフター履歴、定期点検履歴の蓄積への取り組みなどを考慮し、住宅の長寿命化を図った。

●今後の予定について

 当社は今年創立60年を迎えた。「郷土が誇る企業をつくる」を使命感とし、鹿児島県内において地域に根ざした住宅づくりと、その維持保全に長年取り組んできたが、今回、採択されたことは長年に渡って培ってきた地域密着型ビルダーとしての商品、技術、アフターサービス等について確かな裏づけとして、お客様のご期待に少しでも応えることができ、また、お客様の財産の維持管理に資する準備がある程度できたのではないかと自負する。
 地域の住まい手のために、地域の気候風土に適した工法を提案し、先進的技術、技能を備えた組織こそが、何代にもわたり住み続ける長期住宅には不可欠だと考える。
 今回の決定において、鹿児島を代表する企業として、今後、邸別交付申請等の説明会の実施を経て、モデル住宅の建設や一般ユーザーへの販売による「長期優良住宅」の普及啓蒙活動をすすめ、地域社会に貢献していきたい。
第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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