第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

　ミサワインターナショナルは、日本と海外の数百年の古民家に学び、伝統的木造工法を現代の工業化技術で継承したいと考え、地域活性化の推進役である地域工務店と共に取り組んでいる。
　古くて正しいことを新しい方法で、いつまでも新鮮さを失わない美しいデザイン、家族の絆や思い出が残り、何世代にもわたって引き継がれてゆく住まいづくりを目指す。

(1) 5寸柱を使った真壁通気工法

• 数百年の古民家は大半が木の現し。木が蒸れず劣化現象を目視で確認可能である。
• 木の持つ調湿作用、香り、肌触り、温もり、愛着。壊すには忍びない住まい。

	大きな断面の木組
	木組現しの内観
	外壁真壁の外観

(2) 民家的な設計手法によるSI住宅

• 5寸角の柱と5寸×1尺の梁で構成される矩形の安定した設計とする。
• シンプルな骨組みは世代を超えた住み替えと100年後の再生が可能である。

(3) 国産材の集成材を活用した工業化住宅

• メインフレームに国産材を活用。国内の森林経営の安定化・活性化に寄与できる。
• 国産材の需要拡大により森林を計画再生し、環境保全とCO2縮減に寄与する。
• 含水率15%以下のプレカット集成材による品質・性能が安定した工業化木造住宅である。

(4) デザイン評価委員会による美しい外観

• 世界の古民家はその外観と景観の美しさによって存続・継承されてきた。
• 急勾配の屋根と深い軒先。左官工事と現しの柱・梁による内外真壁構造 (郊外型)
• 矩形の平面構成と落ち着いた左官壁。外部大壁、内部は柱、梁現しの真壁構造 (都市型)

(5) 地域別供給・維持管理・保証体制

• 事業継承可能なオープン工法により連携した地域ごとの供給・維持管理体制の確立を図っていく。
• 所有者・事業者・ミサワインターナショナルの三者契約による保証体制を確立する。
• ミサワインターナショナルを核とし、事業者別に24時間対応のお客様相談室を設置する。
• 営業・設計・施工・維持管理のスキル向上のための教育体制、普及啓発活動の充実を図っていく。

(6) 事業における適合性の裏づけ

• 住宅瑕疵担保責任保険による保証を義務化に先行して地盤・建物を長期保証する。
• 品確法の住宅性能表示の設計評価・建設評価により、保険検査と併せて4回の現場検査を行う。
• 木造耐久計算書の計算方法により棟別に推定耐用年数の確認を行う。(旧建設省監修)
• デザインの評価に対して社内に学識経験者・専門家等を入れた評価委員会を設置し、空間の快適性、可変性、街並みを配慮した超長期住宅のデザイン評価書を戸別に作成する。
• 性能評価機関により、住宅履歴情報としての設計図書、維持管理情報資料等を長期保存する。

　「良い住宅を長期にわたって長く使ってゆくこと」が現在厳しく求められている地球環境問題への取り組みの大きな柱と考える。30年ほどしかない日本の住宅の寿命を延ばし、地球環境や住宅の資産価値を上げる時代になった。その実現のため、これからのHABITAの住まいに先導的提案を積極的に取り入れ住宅の長寿命化を推進する。