超長期住宅先導的モデル事業 採択事例レポート
北海道の気候風土から生まれた長く快適に暮らせる住まい
北海道建設部住宅局建築指導課
北方型住宅ECOモデル事業
北方型住宅ECOモデル事業
北海道では、昭和63年から、産学が一体となって、北海道にふさわしい住まいとして「北方型住宅」の開発・普及に取り組んできました。「北方型住宅」は、北国である北海道で長く快適に暮らせる住まいを実現するため、住宅に必要とされる基本性能を定め、それをチェックしながら家づくり進め、資料を残していく、という仕組みが備わった住宅です。
平成17年からは高齢化社会や地球環境問題といった住まいを取り巻く環境の変化にも対応しており、新たな展開を図っています。
平成17年からは高齢化社会や地球環境問題といった住まいを取り巻く環境の変化にも対応しており、新たな展開を図っています。
「長寿命」「安心・健康」「環境との共生」「地域らしさ」を住まいづくりの基準に
函館/渋谷建設による 「北方型住宅ECOモデル」の事例 |
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そして、これら4つの基本性能を実現するために、それぞれ具体的な基準が設けられています。
第1回超長期住宅先導的モデル事業に採択された「北方型住宅ECOモデル」は、この「北方型住宅」をベースに、耐久性や断熱性などをさらに強化したものなのです。
「北方型住宅ECOモデル」は、超長期の使用に耐える住宅として、国内最高水準の気密、断熱性能を確保するとともに、その性能を支える仕組みとして「北方型住宅サポートシステム」を導入。長く安心して住み続けることができる住環境の実現を目指しています。
優れた耐久性・断熱性能を発揮
「北方型住宅ECOモデル」では、従来の「北方型住宅」と比べて、相当隙間面積 (C値) を1m²>当たり2.0cm以下から、1.0cm以下へ強化しています。相当隙間面積とは、住宅の壁や天井などに開いている「すき間」の大きさを表すもので、隙間の大きい住宅は気密性能が悪く、室内の熱が逃げやすくなります。これを強化することで、隙間が小さくなるので気密性能がさらに向上し、断熱層内の結露を抑制。耐久性が向上します。
加えて、含水率20%以下の乾燥材もしくは集成材を使用し、耐久性の向上を図っています。
断熱性能の面では、熱損失係数 (Q値) を従来の1.6w/m²・k以下から1.3w/²・k以下へと強化しています。熱損失係数とは、住宅の壁や床、天井などから逃げ出す熱量を指すもので、断熱性能を表します。値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱・保温性能が高くなります。「北方型住宅ECOモデル」ではこれを強化し、断熱性能の向上を図っています。
また、「北方型住宅ECOモデル」では、省エネルギー性能を確保するための設計・施工面の対応として、断熱施工の専門技術者であるBISによる熱損失係数計算書の添付と、断熱気密施工管理の専門技術者であるBIS-Eによる施工状況の確認を義務付けています。
さらに高齢者などへの配慮対策や街並み・景観への配慮についても、従来型と比べ対策を強化しています。
旭川/橋本川島コーポレーションの事例、とその内観 | |
断熱性能の面では、熱損失係数 (Q値) を従来の1.6w/m²・k以下から1.3w/²・k以下へと強化しています。熱損失係数とは、住宅の壁や床、天井などから逃げ出す熱量を指すもので、断熱性能を表します。値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱・保温性能が高くなります。「北方型住宅ECOモデル」ではこれを強化し、断熱性能の向上を図っています。
また、「北方型住宅ECOモデル」では、省エネルギー性能を確保するための設計・施工面の対応として、断熱施工の専門技術者であるBISによる熱損失係数計算書の添付と、断熱気密施工管理の専門技術者であるBIS-Eによる施工状況の確認を義務付けています。
さらに高齢者などへの配慮対策や街並み・景観への配慮についても、従来型と比べ対策を強化しています。
住宅づくりのはじめから終わりまで記録・保管
耐久性や断熱性といったハードの性能に加えて、「北方型住宅ECOモデル」では、その性能を担保する仕組みとして「北方型住宅サポートシステム」を用意しています。このシステムは平成17年に道が開発し、「北方型住宅」に導入してきたものです。
「北方型住宅サポートシステム」では、Webを活用し、パソコンで工務店などの住宅供給事業者が、住宅の設計計画や設計内容を入力すると、北方型住宅設計の基準に適合しているか自動的にチェックされます。そしてチェックされた結果が建て主に報告されるようになっています。
施工時には、住宅供給事業者が (1)「基礎」、(2)「構造躯体」、(3)「外装」、(4)「断熱気密」、(5)「竣工」の5段階において、実際に計画通りの工事が行われているか、施工状況を建て主に報告します。建て主は、Web上の施工状況シートから写真などで工事の状況を見たい時にいつでも閲覧することもできます。
これらの設計内容や施工状況は、最終的にデータとして住宅供給事業者などがシートにまとめてCDに収め、事業者と建て主がそれぞれ保管します。さらに、第三者機関である (財) 北海道建築指導センターでも登録・保管することになっているのです。長期間保管 (10年ごとに更新) されることから、住宅の所有者が変わったり、記録を紛失してしまった場合でも第三者機関によって確実に記録が残されることになるのです。
住宅を長期に渡って使用していくうえでは、リフォームや改修も必要になってきます。そうした場合、図面や施工記録が保管されていれば、これを基に改修計画を立て工事を実施することができます。
また、図面や施工記録が残っていれば、住宅の性能や仕様が明らかになるため、中古住宅として評価される場合に適正な価値評価が期待できます。つまり資産価値の裏付けにもなるわけです。
北海道は日本の都道府県で最も北に位置する寒冷地。このため、厳しい寒冷地の特性に合わせた、北海道独自の住まいがどうしても必要でした。そうした背景から生まれた「北方型住宅」には、高性能の気密、断熱性とともに、それを裏付ける仕組みみが伴うのはむしろ必然だったのかもしれません。
ストック社会を迎え、住宅を長期に渡って使用していくことが求められるようになった今、その仕組みが住宅に新たな価値をもたらそうとしているのです。
「北方型住宅サポートシステム」では、Webを活用し、パソコンで工務店などの住宅供給事業者が、住宅の設計計画や設計内容を入力すると、北方型住宅設計の基準に適合しているか自動的にチェックされます。そしてチェックされた結果が建て主に報告されるようになっています。
施工時には、住宅供給事業者が (1)「基礎」、(2)「構造躯体」、(3)「外装」、(4)「断熱気密」、(5)「竣工」の5段階において、実際に計画通りの工事が行われているか、施工状況を建て主に報告します。建て主は、Web上の施工状況シートから写真などで工事の状況を見たい時にいつでも閲覧することもできます。
これらの設計内容や施工状況は、最終的にデータとして住宅供給事業者などがシートにまとめてCDに収め、事業者と建て主がそれぞれ保管します。さらに、第三者機関である (財) 北海道建築指導センターでも登録・保管することになっているのです。長期間保管 (10年ごとに更新) されることから、住宅の所有者が変わったり、記録を紛失してしまった場合でも第三者機関によって確実に記録が残されることになるのです。
住宅を長期に渡って使用していくうえでは、リフォームや改修も必要になってきます。そうした場合、図面や施工記録が保管されていれば、これを基に改修計画を立て工事を実施することができます。
また、図面や施工記録が残っていれば、住宅の性能や仕様が明らかになるため、中古住宅として評価される場合に適正な価値評価が期待できます。つまり資産価値の裏付けにもなるわけです。
北海道は日本の都道府県で最も北に位置する寒冷地。このため、厳しい寒冷地の特性に合わせた、北海道独自の住まいがどうしても必要でした。そうした背景から生まれた「北方型住宅」には、高性能の気密、断熱性とともに、それを裏付ける仕組みみが伴うのはむしろ必然だったのかもしれません。
ストック社会を迎え、住宅を長期に渡って使用していくことが求められるようになった今、その仕組みが住宅に新たな価値をもたらそうとしているのです。