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第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介

平成21年度 平成20年度
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エス・バイ・エル∑ 超長期住宅モデルプロジェクト

エス・バイ・エル株式会社
[(共同提案) 越井木材工業株式会社]
〒530-6005
大阪府大阪市北区天満橋1-8-30 OAPタワー5階

●基本コンセプトについて

 構造躯体が合理化された木質系プレハブ住宅の特徴を生かして、構造躯体の長寿命化を図るために木質構造材の耐久性を飛躍的に高め、かつ、超長期に予想される大地震に対して構造躯体の損傷を極めて少なくする。
 また、火災、台風等に際して一定以上の性能を具備して建物の消失を防ぐ。
 これらは供給企業が建物を超長期に点検及びメンテナンスを行って保証を継続する。

●先導的な提案の内容について

(1) 耐久性の考え方
 構造躯体の耐久性は材料から保証まで総合的な措置を講ずる。
  1. 構造材料の耐久性の措置は劣化のおそれのある対象部位を1階部分に拡大して講ずる。
  2. 木質構造材の劣化防止は外壁の外部及び内部に2重の通気層を確保する。
  3. 劣化診断は通気性能から予想した外壁パネルの劣化診断推定評価システムを構築して25年毎定期的に実施し、劣化のある部位は補修または取り替える。
  4. 超長期保証継続制度 (生涯サポートシステム) によって建物の点検及びメンテナンス・保証を超長期に継続して行う。
(2)先導的な提案の内容
【構造材料の耐久性及び長期劣化防止構造】
 劣化のおそれのある構造材料の耐久措置として、1階外周壁全面に防腐・防蟻処理、浴室・脱衣室の間仕切壁 (耐力壁を除く。) に高耐久処理の木材 (高信頼性熱処理木材) 及び合板 (単板加圧注入処理合板) を使用する。
 また、長期的に劣化を防止するために、外壁は外部通気工法に加えて壁体内換気システムを採用する。
 
【耐震性及び高設計倍率システム】
 品確法の耐震等級3及び耐風等級2とする。また、高設計倍率(4.7倍)の耐力壁を配置して内部空間の自由度を拡大する。
 
【構造躯体の定期診断と劣化診断推定評価システム】
 構造躯体の劣化の有無、程度を診断するために、劣化診断推定評価システムによって構造躯体の定期診断を25年毎に実施する。
 構造躯体の内部検査は建物全体の内外装材を取り除く必要があるが、パネル工法独自に開発した劣化診断推定評価システムによって劣化危険度の高い部位を事前に推定することによって、局所的な内部検査だけで建物全体の劣化状態を予想することが可能となったことからこれを定期点検に活用する。
劣化診断推定評価システムの例
 劣化診断推定評価システムとは、これまでの技術の蓄積から「壁体内換気システム」の換気性能と木部の含水率に相関があることに着目し、長年建設実績のある「壁体内換気システム」の建物の入居履歴20年〜25年の物件解体調査及び実験データを基に構造体内部の換気経路パターンとその他の副次的劣化因子を組み合わせて、外壁内部の区画 (セル) 毎に劣化の危険度を指標化し、外壁全体内部における経年的な劣化状態を推定できるように可視化したもの。これによって、経年的に劣化危険度の高い部位を特定できることから構造体内部の劣化診断に活用することにした。
 
【防耐火性能】
 超長期に使用可能の住宅として、建築基準法で定める地域・延焼のおそれのある部分にかかわらず、外部及び内部火災に対して構造躯体を「省令準耐火構造」または「準耐火構造」の防耐火性能とする。
 
【超長期保証継続制度】
 当社では「住まいの生涯サポートシステム」という。このシステムは建物引渡し後10年目以降5年毎に有償メンテナンスにより構造躯体の保証を更新して、住宅がある限り保証を継続するもの。このシステムの点検と同時に先に述べた構造躯体の劣化診断を追加して構造強度の維持状態を確認する。

●今後の予定について

 提案住宅はモニターを募集し、分譲地にモデル棟を建設して公開する予定。
 モデル棟は超長期住宅普及のためのモニターとして活用していく予定である。
第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
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