第1回 超長期住宅先導的モデル事業紹介
宮城の伊達な杉の家を創る会
株式会社山大
〒986-0841
宮城県石巻市雲雀野町1-7-1
宮城県石巻市雲雀野町1-7-1
●基本コンセプトについて
今回の提案は、山大が事務局となる「宮城の伊達な杉の家を創る会」による新築戸建て住宅向けのシステム提案である。当社をはじめ、宮城県内71社の工務店が参加する住宅供給ネットワークによる、高品質な県産材「伊達な杉」を使用した地域密着型の超長期耐用住宅の普及を図っていく総合的な内容となる。
今回のモデル事業を契機に宮城県の住宅の品質を引き上げる狙いもある。
今回のモデル事業を契機に宮城県の住宅の品質を引き上げる狙いもある。
●先導的な提案の内容について
今回のシステム提案は、山大の合理化認定システム「YP-21 TYPE II SO6B-02」をベースとしている。これに新たな長寿命化の仕様を加え、高品質の県産材を使って住宅を建設するというものだ。宮城県が主導している「みやぎ版住宅」とも連動しており、県や宮城県建築振興協会、森林組合などと協力し、計画伐採と計画植林による安定した地域木材の供給体制を構築しようとしている。
今回の提案では、山大が昨年7月から販売を開始した人工乾燥木材「宮城の伊達な杉」を使用する。樹齢60〜70年のもので、直径24cm以上の中目丸太から製造する。
構造材には、芯材から製材される角材で、すべて赤身を使用。狂いが少なく耐朽性に優れ、長期に使用する柱や土台にも適したものだ。羽柄材は、同じ丸太からとれる芯去り材を使う。こちらもやはり狂いが生じにくいものだ。
当社では、最新の製材機や乾燥機などを導入し、供給体制を整えてきた。精度の高い乾燥材を安定的に、そして、比較的低価格で供給が可能となったことで、今回の提案が成り立ったとも言えるだろう。
今回の提案では、地産地消が最大のテーマ。ネットワークのメリットを最大限に生かし、県産材の使用を広げていく。「宮城の伊達な杉の家を創る会」の会員は、宮城県内でも中堅の年間10〜20棟程度の新築住宅を供給している工務店が中心となる。会員工務店は今回の提案に沿った資材や工法を活用し超長期住宅のモデル事業を推進していくが、その過程で、住宅の質の向上や施工技術といったスキルの向上を図っていくことになる。このため、今回の提案では、工務店が対応できる実現可能性と先導性とのバランスをとった設計仕様とした。
参加工務店へのサポート体制も充実化させている。図面や施工写真を含め住宅履歴情報の管理方法を提案するなど、工務店をサポートする仕組みづくりを行っていく。
また、住宅の性能面について、工務店間の性能の均質化を図るため、住宅性能表示制度を採用した。申請面などの実務面については、設計事務所と連携しサポートしていく。
今回の提案では、超長期住宅としての性能を確保するため、住宅性能表示制度の耐震等級の等級2、劣化対策等級の等級3、耐火等級の等級2、感知警報装置等級の等級2、ホルムアルデヒド発散等級の等級2、高齢者配慮対策等級の等級2を義務付けている。
なかでも、劣化対策ではベタ基礎を採用したうえで、コンクリートの強度を30kNと定めている。さらに鉄筋のかぶり厚の確保を確実に行うこととし、「基礎本体の寿命を100年確保する」ことを目指した。
耐震性に関しては、構造フレームの許容応力度計算を全棟で実施する。
維持管理対策では、スケルトンとインフィルを区分し、スケルトン100〜200年、インフィル20年を耐用年数として定め、対応を検討した。具体的には配管や配線などを点検・メンテナンスしやすいように工夫した。
また、可変性を確保するため――
基礎や躯体部分については、第三者機関の保証を受けることとしている。
引き渡し後の維持管理については、10年ごとの点検・メンテナンスをシステム化し、これを10回繰り返すことで100年の寿命を確保するようにした。
維持保全の計画書は35年で作成し、施主に説明したうえで保証書といっしょに渡す。
引き渡し後の接点維持や維持保全の仕組みづくりにも注力。トレーサビリティを含め、長期に渡ってきちんと管理ができるようにしていく。住宅履歴情報システムも、山大の既存システムをベースに、様々な規模の工務店が使えるようにカスタマイズし直す予定だ。
「伊達な杉」を使った内装例 | |
構造材には、芯材から製材される角材で、すべて赤身を使用。狂いが少なく耐朽性に優れ、長期に使用する柱や土台にも適したものだ。羽柄材は、同じ丸太からとれる芯去り材を使う。こちらもやはり狂いが生じにくいものだ。
当社では、最新の製材機や乾燥機などを導入し、供給体制を整えてきた。精度の高い乾燥材を安定的に、そして、比較的低価格で供給が可能となったことで、今回の提案が成り立ったとも言えるだろう。
今回の提案では、地産地消が最大のテーマ。ネットワークのメリットを最大限に生かし、県産材の使用を広げていく。「宮城の伊達な杉の家を創る会」の会員は、宮城県内でも中堅の年間10〜20棟程度の新築住宅を供給している工務店が中心となる。会員工務店は今回の提案に沿った資材や工法を活用し超長期住宅のモデル事業を推進していくが、その過程で、住宅の質の向上や施工技術といったスキルの向上を図っていくことになる。このため、今回の提案では、工務店が対応できる実現可能性と先導性とのバランスをとった設計仕様とした。
参加工務店へのサポート体制も充実化させている。図面や施工写真を含め住宅履歴情報の管理方法を提案するなど、工務店をサポートする仕組みづくりを行っていく。
また、住宅の性能面について、工務店間の性能の均質化を図るため、住宅性能表示制度を採用した。申請面などの実務面については、設計事務所と連携しサポートしていく。
今回の提案では、超長期住宅としての性能を確保するため、住宅性能表示制度の耐震等級の等級2、劣化対策等級の等級3、耐火等級の等級2、感知警報装置等級の等級2、ホルムアルデヒド発散等級の等級2、高齢者配慮対策等級の等級2を義務付けている。
なかでも、劣化対策ではベタ基礎を採用したうえで、コンクリートの強度を30kNと定めている。さらに鉄筋のかぶり厚の確保を確実に行うこととし、「基礎本体の寿命を100年確保する」ことを目指した。
耐震性に関しては、構造フレームの許容応力度計算を全棟で実施する。
維持管理対策では、スケルトンとインフィルを区分し、スケルトン100〜200年、インフィル20年を耐用年数として定め、対応を検討した。具体的には配管や配線などを点検・メンテナンスしやすいように工夫した。
また、可変性を確保するため――
- 外壁面を耐力面材として不足した分を集約化することにより、間取りの自由度確保や将来の変化に対応する。
- 可変ゾーン部分の天井高さを統一し、納まりは床・天井勝ちとする。
- 910mmピッチで格子組の梁を組み、ネダレス合板で水平剛性を強化。
基礎や躯体部分については、第三者機関の保証を受けることとしている。
引き渡し後の維持管理については、10年ごとの点検・メンテナンスをシステム化し、これを10回繰り返すことで100年の寿命を確保するようにした。
維持保全の計画書は35年で作成し、施主に説明したうえで保証書といっしょに渡す。
引き渡し後の接点維持や維持保全の仕組みづくりにも注力。トレーサビリティを含め、長期に渡ってきちんと管理ができるようにしていく。住宅履歴情報システムも、山大の既存システムをベースに、様々な規模の工務店が使えるようにカスタマイズし直す予定だ。
●今後の予定について
厳しい市場環境のなか、今後は地域の工務店が一緒に連携し協力し合って、木造住宅の推進を図る必要がある。特に超長期に対応する技術力を確保するとともに、アフターメンテナンスを徹底していくことが重要になるはずだ。
当社ではできるだけ早くモデル事業の第1号棟を建設し、普及啓発を図っていく。地域材の活用は、地域の活性化や地球温暖化対策にとって大きな解決策となる。県などからの協力も得ながら、地域の活性化にもつなげていきたい。
当社ではできるだけ早くモデル事業の第1号棟を建設し、普及啓発を図っていく。地域材の活用は、地域の活性化や地球温暖化対策にとって大きな解決策となる。県などからの協力も得ながら、地域の活性化にもつなげていきたい。